あらすじ
内相紹介
ロボット学の表情工学(エクスプレツシヨン・エンジニアリング)を専攻する教授に、文楽の人形遣いであり人間国宝の吉田(よしだ)左衛門(さえもん)が依頼したのは、“無表情の表情”の首(かしら)の制作。
しかし、それはひとが目にしてはならない“顔(フエイス)”だったのだ――。
文楽を題材にしたSFミステリの表題作ほか、すべてがマニュアル化された巨大ハンバーガーチェーンの歯車が静かに狂いだす「メタロジカル・バーガー」など、
ジャンルの壁を超え、悠然と佇(たたず)む傑作短篇群がここに集結。全篇初収録。
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Posted by ブクログ
山田正紀氏の未刊行作品から、SF・ホラー系統の作品を集めた短編集。最近の作がほとんどだが、「冒険狂時代」だけテイストが昭和だなあと思ったら、執筆年度が飛び抜けて古い作品でした。
全体の色合いとしてニューロティックな傾向が強く、ホラー傾向の作ではアイデンティティの不安が恐怖の源泉になっていたり、オチのところで、語り手のそれが揺らぐパターンが多い。表題作の「フェイス・ゼロ」なんかは、メインのフェイス・ゼロとは? のところでうまくまとめられなくて、そっちに逃げたんじゃないのかと言う気もしますが。