あらすじ
日本橋の呉服問屋・辰巳屋が賊に襲われ,一家全員が斬り殺された。八丁堀の鬼と恐れられる南御番所隠密廻り同心・長月隼人は,その残忍な手口を耳にし,五年前江戸を震え上がらせた盗賊の名を思い起こす。あの向井党が再び現れたのか。警戒を強める隼人たちをよそに,またしても呉服屋が襲われ,さらに同心を付け狙う恐るべき剣の遣い手が――。御番所を嘲笑う向井党と,次々と同心を狩る『死神』に対し,隼人は,自ら囮となるが……。書き下ろし時代長篇,大好評シリーズ第三弾。(解説 長谷部史親)
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Posted by ブクログ
剣客同心鬼隼人の第3作〜商家に押し込みが入り,昔暴れ回った向井党の生き残りが怪しい。かつて捕縛に当たった同心が謎の剣客に斬られている。その太刀筋は顔面切り。額から顎まで切って,次の相手も狙える技だ。隠密同心の長月隼人には切り捨てても構わないと許しがでるが,盗賊から喧嘩を吹っ掛けられているようで,手掛かりはあまりない。糸を辿るとねぐらは判ったが,謎の剣士はどうやら取り潰しになった御家人らしい。自害した許嫁の墓の前で隼人は顔面斬りの間合いを読み切って冥途に送る〜新作かと思ったら6年前の書き下ろしだった。立ち合いなんて様々なバリエーションを考えられないだろうに