あらすじ
家の声が聞こえる──幼い頃から不思議な力を持つ大学院生・遠野守人。縁あって、川越は菓子屋横丁の一角に建つ築七十年の古民家で、住みこみの管理人をすることになった。早くに両親を亡くし、人知れず心に抱くものがある守人だったが、情緒あふれる町の古きよきもの、そこに集う人々の物語にふれ、自分の過去にむきあっていく。人もものも、記憶を抱いて生まれ変わることができる。心のいちばんやわらかな場所にやさしく沁みる新シリーズ、第一作。
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Posted by ブクログ
温かい気持ちになる物語だった。
読み終えたあとも、やさしい余韻が残っている。
舞台になっている川越には、もう5年以上行っていない。
本の中の菓子屋横丁の風景を思い浮かべながら、文庫を片手にまた歩いてみたくなった。
この物語の空気がとても心地よかったので、シリーズの続きも読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
感想を書く時のカテゴリ区分が下手だからこれはファンタジーとして良いのか分からないところではあるけど自分の本棚だし良しとした。
普段他の方の感想読むこと少ないけどチラッと見掛けてこれ良いなってカテゴリあったら参考にさせてもらおう……
この物語の主人公は、さすがに境遇もあってか元々の性格もあって作中にも揶揄されていた仙人のような雰囲気漂うタイプの大学院生。
川越のあの家に引っ越すことになって矢先、帰りの夜道にふらふら闇の方に誘われていた描写の頃はまだようやく身の回りのあれこれが落ち着こうとしていた時だったんだなと後で気付いた。
きっと自分と向き合うような暇もなくただ必死にここまできてようやくその時間が与えられたんだとしたら、まだ個としてしっかり地に足が着いてないような状態だっただろうから連れて行かれそうになっても仕方なかったのかなぁと感じた。
でもすっと“帰らなければ”となるところが仙人と言われる所以を感じさせたな(笑)
ここで本当に暗い闇の方に引き込まない所が土地の良さを感じるところでもあった。
本来昔ながらの土地は良くも悪くも色々居そうだもんな。
でも闇の方向いっちゃうと作品変わっちゃうしな……
辛い過去は読んでいてもすごく苦しかったし泣けてしまった。
でも自棄にならず半ばヤケクソのようであっても生きていてくれて良かった。
家を引き払って伯父たちへ明け渡そうという決断がふと出来たことが一つ区切りとして動いたような感じがあった。
感覚として自分の家ではないと思っていた場所だったとしても長年住んでいた所を手離そうと思えたことはふとしたことだったとしても大きい一歩だったと思う。
ここから過去の自分の中で燻っていた綻びの様なものが少しずつ解けていくように話が展開していくのにとても胸が温かくなった。
実はあの時ああだった、こうだった、こう思っていた感じたのかもしれないっていう事って当時は気付いたり考えが及ぶことってきっとほとんどなくて、本当に後からになって誰かから知ることになったり冷静に振り返ることが出来てようやくたどり着けるものだと思う。
人との繋がりと物や土地との縁が少しずつ広がることでタイミングが合致したんだろうなぁ。
個人的に歴史ある建物や品物が好きなので、作品中の色々な描写がとても楽しかった。
新しいことをやる上でもこれまであった造形や質感を大切にしながら紡がれていくのが本当に素敵。
そしてパン屋さんに行きたくなったし案の定珈琲に和三盆がいただきたくなった(笑)和菓子に珈琲って合いますよね……!
何より月光荘が凄く落ち着く空間を作っている感じがして良いなぁ……
私は長年ザ・昭和の家って雰囲気の賃貸に住んでたこともあって、すりガラスに土壁に縁側のある今の家を選んだくらいにはレトロな雰囲気が大好きで、古い家は所々勝手が悪かったり補修も必要だったり色々ままならないところもあるけどそこがまた愛着が湧く感じがして…
他からしたら理解しづらいものかもしれないけど、この作品を読んでより自分のお家を大事にこれからも一緒に暮らしていきたいなと思った。
続編も今から楽しみにしてる。
ほしおさなえさんの同じ文庫から出てる別タイトルも以前読んだことあるけど、改めて読み返して感想起こしたいな。