あらすじ
日本初の多目的宇宙ステーション『白鳳』で発生した、不可解な出来事。
無重力の空間をゆっくりと漂う死体は、まるで数十メートルの高度から“墜落”したかのようだった。
果たして、事故なのか、事件なのか?
従姉妹の森鷹舞衣の“計略”により、偽装結婚をして『白鳳』見学に訪れていた若き研究者・鷲見崎凌は、
謎の真相を探るため、行動を開始することとなる…。
斬新な設定とスマートな論理的解決で、各界に衝撃を与えた本格SFミステリー。
第1回日本SF新人賞受賞作を加筆修正し刊行。
序章
PROLOGUE
第一章
花嫁は周回軌道を目指す
CHAPTER1:THE BRIDE GOES TO THE EARTH ORBIT.
第二章
博士たちは虚空を漂う
CHAPTER2:THE SCIENTISTS FLOAT IN THE VOID.
第三章
素人探偵は閉鎖系を彷徨う
CHAPTER3:THE AMATEUR DETECTIVE WANDERS IN THE CLOSE CIRCLE.
第四章
シュレーディンガーの寡婦は微笑む
CHAPTER4:SCHRÖDINGER'S WIDOW SMILES.
第五章
咎人の見えざる左手またはmgh
CHAPTER5:THE SINNER'S INVISIBLE LEFT HAND,OR MGH.
終章
EPILOGUE
解説 牧眞司
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Posted by ブクログ
SFミステリの傑作。これはどう考えてもそうだから、言ってもネタバレにはならないと思うが、ゴリゴリの物理トリックによる不可能殺人物。クローズド・サークルと言うなら、これ以上のクローズド・サークルはないけれど。デジタル上の人格コピーと本体との関係をめぐる考察や、人はしを何故恐れるのかという問答などSFならではの思弁も展開されるが、お話の構造そのものは、ほぼミステリのもの。これは最近のSFの歪さの言うべきかも知れないが。