【感想・ネタバレ】汚れなき子のレビュー

あらすじ

米アマゾン2760レビューの超ヒット作!

真夜中、ひと組の母娘が救急車で病院に搬送された。母親は自動車事故に遭い、重傷を負っていた。母親といっしょにいた少女は幸い無傷だった。母親が救命処置を受けている間、少女は看護師に身元を聞かれるが、少女は母親の名前がレナであること以外は何も明かさない。看護師が電話番号をたずねると少女は言った。
「うちには電話ないの」
「じゃあ、住所だけでも? 住んでる通りの名前、わからない? 誰かを向かわせて、パパを連れてくることができるかも」
そう看護師が言うと、少女はゆっくりと首を振って囁いた。
「私たち、見つかっちゃいけないんだよ」

その後、少女が語ったのは、事故の夜、少女の母親がうっかり父親を殺そうとしたこと。小さな弟がひとり今も〈小屋〉に取り残されていること。そして〈小屋〉での奇妙な暮らしぶりだった――。

物語はこの少女の視点の他に、事故に遭った母親の視点と、もうひとり、行方不明の娘を探す父親の視点の三つで描かれていくのだが、やがて少女と母親の語りから、二人がともにどこか異様なことに読む者は気づき始める。
この作品に捜査機関は登場するが、彼らはあくまでも脇役である。やがて結末近くになってようやく事件の全貌が見えるのだが‥‥。

デビュー作にして見事なページターナー!
2020年、ドイツ推理作家協会賞(正称:フリードリヒ・グラウザー賞)最終候補作!
ドイツ・アマゾンのレビュー1690超、★平均4.5!
米国アマゾンのレビュー2760超(2020年10月発売、半年累計)、★平均4.5!
今後ドイツのスリラー界を担う最右翼新人作家の作品を、満を持して紹介する。

(底本 2021年6月発行作品)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

交通事故にあった母子が救急病院に搬送される。重症の母レナと、現場に居合わせた娘のハナ。
ハナへの聞き取りにより、父親に生活の全てを管理・支配される異様な生活が徐々に明らかになる。
一方、14年前に行方不明になった娘レナを探し続けていたマティアスは、レナが見つかったかもしれないとの知らせを受けて救急搬送されたレナの身元を確認するが、はっきりとレナとは別人であると言う。しかし病院で見かけたハナはマティアスの娘のレナに瓜二つだった。
事故にあった『レナ』は誰なのか、マティアスの娘のレナはどこにいるのか、そしてハナと2人のレナとの関係は何なのか。

↑の冒頭部分だけでも謎だらけで面白い。そして読み進めていけばさらにどんどん面白くなる。

拉致監禁されて異様な家族の一員となることを強要された恐怖の日々はもちろん、脱出後もトラウマに苦しむ女性。
14年前の行方不明事件でレナを貶める内容の記事を書くマスコミや、成果を上げない警察、さらにはレナを名乗りながら事件の詳細を語らない被害女性にも苛立ちを感じてしまうマティアス。
人生全てを森の小屋の中だけで過ごし、賢いけど歪な少女ハナ。
この3人の視点からストーリーが展開する。

犯人は何者だったのか、事故当日に小屋で何があったのか、レナはどうなったのか…
少しずつ事件の全貌が見えてくるワクワク感で一気に読めた。

『私たちは誰だって、その愛のせいで様々な形の化け物になってしまう。』
この言葉がすごく印象に残った。

0
2024年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確かに言わなくてもいいことを詳細に語る必要はないけど遺体が別人だと気づいたときそれをなぜ隠すのかわからないし嘘つくのは違うでしょ。
どこか弱い印象の登場人物たちの中で唯一強さを感じるエピローグで終わったのはすごく良かった。
不倫が原因だったりヤスミンから声をかけたこととかキルスティンとの関係性とか蛇足に感じる部分もあったけど、全体としてはまぁ普通。

1
2022年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際に犯人に酷いことをされていたレナ、ヤスミン、ハナの視点よりもマティアスのターンが一番読んでて辛かった。
犯人やレナの人物像についてもう少ししっかり書かれてたらなーと思わないこともないけど、焦点をヤスミンとハナに当てて展開をコンパクトになってるこっちのほうが良かったのかも。

最後のページがとても良かったです。

0
2022年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人は死んでないってのはすぐに分かったけど、誰だかは名前出るまで分からなかったー。登場してるとは思っていたけど。。

0
2021年11月12日

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