【感想・ネタバレ】聞き書 緒方貞子回顧録のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

学者からUNHCRからJICAなどさまざまな分野や組織で活躍した緒方貞子の卓越したリーダーシップ、行動力、そしてその根底にある信念がよくわかる。前例を打ち破り、最前線で進み続ける彼女の人生を読むと自然と胸が熱くなる。

0
2024年04月24日

Posted by ブクログ

国連難民高等弁務官として数々の功績を残してこられた緒方貞子さんの回顧録。その揺るぎない決断力と実行力にただただ舌を巻く。問題の真の所在を見極め、その解決のために既存のルールやしがらみにとらわれず、行動を起こしやり遂げる。どうしてここまで出来るのだろうか凡人の自分には考えが及ばない。出来ることならご存命のうちに講演など直接声を聞いてみたかったが、叶わぬ願いとなってしまったのでもっと書物で学びたい。

以下、備忘しておきたい言葉。
・人の生命を守ることが一番大事なことで、そのことに従来の仕組みやルールがそぐわないならルールや仕組みを変えればよい。それが私の発想でした。
・見てしまったからには、何かをしないとならないでしょう?したくなるでしょう?理屈ではないのです。自分に何ができるのか。できることに限りはあるけれど、できることから始めよう。そう思ってずっと対応を試みてきました。

0
2024年02月10日

Posted by ブクログ

国連難民高等弁務官に64~73歳で勤められ功績多数。政治を研究し、国連に関わる仕事もされ、様々な積み重ねの果てに推薦される。
人の命を守ることを目的に、組織の枠や慣例に捕らわれず何がベストか考え、実行され続けた方。
これは◯◯の仕事、とか考えてしまいがちであるが、やった方が良いことは、ルールを変えて実行する。国連ルールを疑えるほど、一本通った筋の源泉を自分の中に持つにはどうすれば。。議論して多様な意見を取り入れることか。
リアリスト。時間と成果を考えた時に、ルール化ではなく明文化しゆっくりコンセンサスを得ることがベストになり得る、特に国際社会では、という事例を初めて知った。
人間の人権保障。時には、これまでタブー視される軍事介入も利用するとこも判断する力。使える物は何でも使う、の素晴らしい実例。
ギャップ問題。恐怖からの自由と欠乏からの自由をシームレスに。現場で実感する課題か。現場のUNHCR, 開発のJICA どちらも変革してきた。現場第一主義と研究所の開設、両方実行のバランス感がすごい。。

何かをやらないと、世界に出ないと、と、とても焦りを覚える。

0
2024年01月07日

Posted by ブクログ

学者としての知識、組織に入っての経験を『世の中を良くする為』に活用していく手腕が素晴らしい。家柄が立派で普通の人とは違う生い立ちだが、それにも増してご本人の頭の良さや実行力に圧倒された。

0
2021年07月13日

Posted by ブクログ

緒方貞子さんの生い立ちから外交意思決定過程の研究、人間の安全保障に至るまでが初学者にもわかるよう書かれている。どのように国連に入りキャリアを進めてきたのか、女性として家庭とキャリアの両立など悩みながらも懸命に最前線で取り組まれた姿勢、実務と研究は一体であり分けて考えるべきではないとの考え方などとても参考になる。

0
2021年05月17日

Posted by ブクログ

なんという降り幅の広い生涯を送って来た人なんだ、というのが読み終わっての第一の感想。

国連難民高等弁務官としての活動は同時代で多少は分かっていたが、犬養毅の曾孫として生まれ、満洲や国際外交の研究者として実績を残し、妻として母としての一面も持ち、JICA理事長も務めるという数々の顔を持つ凄味。

人の生命を守ることが一番大事なことで、そのことに従来の仕組みやルールがそぐわないのならルールや仕組みを変えればよい」この言葉が今最も心に刺さる。

今年一番の本に出会ったかも。

日本人という枠に拘らず、国際人の生涯に触れたい人にオススメ。

喜久屋書店阿倍野店にて購入。

0
2020年04月25日

Posted by ブクログ

UNHCRの話は全体的に歴史の話のようで頭に入らず。世界史を勉強しないとな、と思った。JICAの組織改革の話が個人的には1番面白かった。

0
2023年04月24日

Posted by ブクログ

「聞き書」で「回顧録」ということに対する違和感は的確な予想だった。
回顧録だから自身が言い残したいことをまとめているのは普通のことで、緒方は自身が関わった仕事について記録を残すことは歴史的使命であるというのだから、成人してからはひたすら仕事のことを回顧しているのは当然のことなのだろう。
聞き手であり編者である国際政治学者2人(緒方の教え子)は、緒方が関わった仕事について把握したうえで、問いかけている。この問いかけが適切なのであろう、読みやすく情報が整理されている印象だ。

だけど物足りない。
わざわざ「聞き書」と明記していながら、聞き手の主体性が感じられない。緒方の意向に添って上手に話を聞き出しているのは確かで、それはそれで貴重な貢献ではあるが、それは名前を出さないインタビュアー(ライター)の仕事だと感じる。
なんというか、引き出した内容が「公式見解的にあちこちで話してきた内容の繰り返し」に見えるのが物足りない。
インタビュアーが投げかけた問いによって、今まで語ったことのない事柄を引き出した印象がない。現場でさまざまな当事者に具体的にどのような働きかけをしたのか、組織の士気を高めるためにどんな働きかけをしたのか、あのリーダーシップはどのように身についたのか、ライブ感のある証言はほとんどない。公式見解だらけという印象。

まあ、本人がそれを語りたいと思っていない(語ることに優先度を感じていない)のであれば仕方ないので、ないものねだりであることは自覚している。
中満泉さんによる解説が、ちょっと補完しているので「まいっか」という気分にはなっている。

0
2023年04月01日

Posted by ブクログ

インタビュー形式なのでとても読みやすい。
緒方貞子氏のことは、国連難民高等弁務官だったということしか知らなかった。
本書を読んで犬養毅のひ孫と知った。
祖父も父も外交官であった。
その環境からがあったからこそ、彼女の国際的な活躍があるのだろう。
とてもニュートラルな感覚の持ち主で、現場をよく知ろうとしたところに彼女の誠実さを感じる。
また、変化を厭わず必要であればルールを変えることも辞さない強さもあった。
また、謙虚さも兼ね備えていてトップになるに相応しい人である。
本書では、彼女の実績を中心に書かれているが、もう少し深く掘り下げた彼女自身の内面的なものも知りたくなった。
緒方氏が国連難民高等弁務官であった当時の難民問題についてもよく分かった。
ルールなど様々な制約のなかでとても大変なお仕事をされていたんだと知った。

0
2022年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

UNHCRにいた時やそれ以降のことはNHKのドラマなどで知っていたけれど、国際基督教大学で非常勤の講師をしたときに学園紛争で大学がロックアウトされ、自宅でゼミをしたという話に緒方さんの熱意を感じたし、当時の学生さんの学習意欲にも並々ならぬものを感じた。そしてその緒方さんの行為に感激した学生たちが大学の事務に掛け合って緒方さんに正規の給料を出すように掛け合ったという事実にも感動。

0
2022年01月04日

Posted by ブクログ

一人の人間が、長くもない一生の間に、かくも広い分野で多くの人々に影響を与える仕事ができるのだ、という、一種の勇気を貰えると感じる。ただ、スーパーウーマン過ぎて参考になるというわけでもないか。

0
2020年07月06日

「ノンフィクション」ランキング