【感想・ネタバレ】ぼくだけのぶちまけ日記のレビュー

あらすじ

兄のジェシーがいじめられていることは知っていた.でも,まさか父親の銃を持ち出して事件を起こすなんて…….13歳のヘンリーは心の傷を抱え,引っ越した町でひっそりと暮らしはじめた.なのに,プロレス好きの友だちや,世話好きな隣人が放っておいてくれない! 残された家族の叫びと希望を描く,カナダ総督文学賞受賞作.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

凄く引き込まれて1日で一気読みしてしまった。加害者家族の苦悩や葛藤がよく描かれている作品でした。途中兄のジェシーがいじめに遭うシーンはリアリティがすごくて辛かったけど、だからこそその場面に居合わせながら何もできなかった弟のヘンリーの葛藤がより鮮明に描かれていたと思う。隣人や友人など皆、個性豊かなキャラクターが出てきて、それぞれの人がヘンリーに影響を与えていく様が心をほっこりとさせてくれた。涙なしには読みきれない作品だった。カナダに留学していたのでところどころでてくるお店やテレビ番組の名前が懐かしさも与えてくれて、読んでいて没入できた。
是非、ティーンだけでなくて、大人にもおすすめしたい一作です。

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

兄のおこしてしまった事件をきっかけに、13才のヘンリーは住み慣れた町を離れ、父親と2人きりで暮らすようになります。事件後兄は自殺し、そのため母も父もヘンリーも心に深い傷をおっています。ヘンリーはセラピストに勧められノートに自分の気持ちや起こった出来事を書き留めるようになります。次第に明かされる過去の辛い出来事と新しい友達との日々。それぞれの不安を抱える周りの大人たちとの関わり。様々な関わりのなかでヘンリーが自分の力で立ち直っていく様子に、読むのがやめられなくなってしまいました。

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2022年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄惨ないじめを受けていた兄。
それゆえ、事件を起こしてしまった兄。
事件の加害者であり、いじめの被害者でもある兄。

自分を責め、悲しむ家族。
家族がわかっていること、兄はプロレスが好きで、家族が好きで、クイズ番組が好きで、優しく、弟思いだったこと。

家族はそれを思い出し、みんなで話すことが、自分達の悲しみを、兄への悔恨の念を、すこし和らげることだと、気付かされる。

そして、自分を信じ、味方でいてくれる友達の有り難み。

日記形式で書かれているため、少し読みにくかった。
でも残された家族の苦悩と葛藤を読むことができて、勉強になった。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙の絵の少年から受ける印象とは裏腹に、かなり重いテーマを扱った物語だ。

実際にアメリカの高校であった銃の乱射事件をきっかけに、作者が書かなければと思い至って執筆したという。

舞台はカナダ。
父親の猟銃を持ち出した主人公の兄ジェシーは、同級生を撃った後、自分自身も引き金を引いて自殺した。
加害者のジェシーは学校で、悲惨としか言いようのない過酷ないじめにあっていた。被害者はそのいじめの首謀者。
そして被害者の妹と加害者の弟は親友同士。

事件の後、加害者の家族は住む町を追われ、父と母は別居。主人公の少年・弟のヘンリーは父と共に都会の町へ移り住む。

新しい学校に通いながら、カウンセリングを受けるヘンリー。こんなことやってても意味がないよ…と思いながらもカウンセラーに勧めらて日記をつけ始める。
苦しいことがいっぱいで、キャパオーバーになってしまうとロボットボイスになってしまうヘンリー。
お父さんもお母さんも元のようには戻れない。

それでも、新しい学校の仲間、同じアパートに住む人々に少しずつ心を開いて歩みだすヘンリー。

若い読者は、おそらく前半のストーリーがつらくて読むのをやめたくなってしまうと思うが、後半に明かりが見えてくるので、最後まで読んでほしい。

2021.4.5

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2021年04月25日

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