【感想・ネタバレ】成熟と喪失 ―“母”の崩壊―のレビュー

あらすじ

「成熟」するとは、喪失感の空洞のなかに湧いて来るこの「悪」をひきうけることである(本文より)――「海辺の光景」「抱擁家族」「沈黙」「星と月は天の穴」「夕べの雲」など、戦後日本の小説をとおし、母と子のかかわりを分析。母子密着の日本型文化の中では、「母」の崩壊なしに「成熟」はありえない、と論じ、真の近代思想と日本社会の近代化の実相のずれを指摘した、先駆的評論。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「海辺の光景」と「抱擁家族」について自分がよみきれなかったところをこの本が肉付けしてくれた。
「星と月は天の穴」についてをいちばん興味深く読んだとおもう。この小説が小説家界隈のための小説だというのは興味深かった。「濹東綺譚」を対比として出しているのが自分にとってわかりやすかった。
なにより「夕べの雲」については、今まで先生の読み方で読んでいたため、「静物」と同様に家庭内の不安を描くという観点で読み解かれている文章に触れることができてとても学んだ。

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2021年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 江藤淳氏が、第3の新人について、「母」と「息子」という観点から論じている。
 普段あまり読むことのないジャンルだったこともあり、非常に難解に感じた。母や父を、文字通りに捉えるのではなく、自然や近代化などの事象の比喩として捉えないといけない。

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2020年07月23日

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