あらすじ
アパレルから観光、飲食、娯楽まで、コロナで大きな影響を受けた業界を解説。
◆なぜ、コロナ禍では倒産自体は増えておらず、むしろ減っているのか。
企業経営の最前線を追っている帝国データバンクが、裏側を語る。
アパレルの名門「レナウン」から小田原かまぼこ御三家「丸う田代」、リゾートホテルまで、
破たんの裏側に迫る!!
◆架空取引、不正請求、中国親会社とのいざこざ、金融機関との騙し合いなど、コロナ禍で経営がどのように行き詰まっていったのか、裏側を見てきた帝国データバンクの企業信用調査マンが迫る。
◆『あの会社はこうして潰れた』の姉妹編として、本書はコロナ禍の最中に破綻した23の企業について解説。多方面に人脈を有し、多くの倒産に関する情報が集まる帝国データバンクのベテラン信用調査マンが、コロナ倒産の裏側を解説。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コロナが原因で見通しが立たなくなり倒産に至ったのは事実だが、いずれのケースもその業界の倒産事例にありがちなケース。まだコロナ初期倒産の振り返りが中心かなと。
特にアパレル関連について、業種上仕入〜売上入金までの期間が長くなりがちで、不良在庫がないか、在庫だまりは金にならない資産を積んでるだけで、資金繰りを圧迫してるという自覚があるか、という視点は改めて大切かと思った。
Posted by ブクログ
ニュースでは、ひとまとめだったり、雑なラベリングで使われるコロナ倒産。個々に見ると、それぞれケースに分かれる。ギリギリのやりくりで、何とかやってたとこに、コロナがとどめを刺したり、ビジネスモデル自体がコロナで回らなくなったり。
帝国データバンクがまとめているだけに、かなり生々しい。
Posted by ブクログ
コロナ関連倒産の事例を実名で挙げている。大半はよく言われている通り、「元から経営が行き詰まっていた会社がコロナで止めを刺された」ものだ。なので本書は、身の丈に合わない拡大戦略や市場の変化に対応できなかった企業の「オーソドックスな」倒産事例だ。追い打ちをかけるように社員による横領なども絡んでいる事例も。倒産する企業はやはりそれなりの背景があるものだ。
ほんの数ページだけ、本当にコロナが原因で倒産した事例がさらっと触れられている。例えば、コミックマーケット向けの印刷をしていた会社が、コミケの相次ぐ中止で売上が蒸発した、とか。これら事例は、主力事業で稼げなくなった時の転換が図れなかった事業だが、市場の変化があまりにも急だったのは致し方なしか。
Posted by ブクログ
信用調査会社大手、帝国データバンクによるコロナ禍での倒産企業の分析。日々速報で流れている情報を深堀しつつまとめた感じの本。
いわゆるゼロゼロ融資の拡大で、コロナ禍での倒産件数は実は減少している。その中で倒産していった企業は、コロナによる影響以前になにがしか問題を抱えていた企業のケースが多い。業界の構造的な不況、不正会計、資金の私的流用、などなど、基本的な問題があぶりだされた格好。
今後ゼロゼロ融資が収束していくと、倒産企業数は伸びると言われている。その時は、2020年とは違う倒産トレンドが出てくるのだろう。