【感想・ネタバレ】カルトの子のレビュー

あらすじ

私たちの親が信じたのは、オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会だった……。ごく普通の家庭にカルト宗教が入り込んだとき、子どもはどんな影響を受けるのか。教団のなかで、家庭で、何が起きているのか。カルトの子どもたちによる壮絶な証言の記録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

オウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会、ライフスペースの子供たちを取材した本。

カルトに出家した親に同行した子供たちは社会から隔離され、暴力によって支配されるか育児放棄される。栄養状態も悪い。それらの弊害が学力不足、平均以下の体格、そしてとりわけ深刻な情緒面の不安定さとなって表れる。カルトで隔離されて過ごした期間は子供たちにとってトラウマとなる。対人関係がうまくできず社会に出ても孤立しがちで、学力がないから低賃金の職業にしか就けない。そもそも社会に出られず引きこもってしまうケースもある。

子の欲求に親が応えるのが通常の親子関係だとすればカルトの親子関係は親の欲求を子供が満たす逆転したもの。常に犠牲となるのは弱い者だ。エホバの証人と幸福会ヤマギシ会における虐待の実態には胸が悪くなる。我が子がこんな目に遭っているのに洗脳が解けない親は救いようがないがそのまま覚めない方が幸福なのかもしれない。

自分の家庭を崩壊させたり家族を不幸にしたりしている人間が世界を救うなんて笑止千万という気持ちにもなった。

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる途中で、私が育った家庭環境かな?という描写があったので驚いた
暴力・暴言の中で育っていたので、それが性格が歪んだ原因だと思っていたのだが
どうやら親から存在をなかったことにされたことに一番ダメージを受けていたというのを知ることができた
例によって私も職を転々とし、大切にしてくれた異性の愛情を信じることができず追い詰め結局手放されてしまった
両親ともにカルト宗教にのめり込んでいたわけではなく、世間から見れば普通の親だったのだろう
それが余計に怖い

あとがきでカルトではない家族間でも同じ状況になりうると書いてあった大きく頷いてしまった

内容とずれてしまったが、始終追体験をしているような奇妙な感じだった

何を信仰するのも自由だが、親の付属品として拒否権がない状態で宗教施設に入れられてしまう子供のことを思うと辛い

どんな親の元で育つかでその後の人生が決まってしまうので、親と子もカルトみたいなものだなぁ、と
親になる資格は必要だと思う、せっかく産まれたのに不幸な人生はしんどい

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会の中で育ってきた子供たちの有り様とそこを脱出したあとの人生について書かれています。
カルトはここに書かれただけではないでしょうが、組織の大きなものや事件が起きたところをメインにしているのでしょう。
エホバの証人が布教活動にいつもたくさん子供を連れて歩いていることの謎が解けました。

あまりにも身体的精神的に暴力が激しく加えられるという状況(ネグレクトも含め)がどのカルトでも起きていて読んでいて目をおおいたくなるような箇所がたくさんありました。
親が入信する前に産まれた子供と入信後に産まれた子供とは扱いに差があるということも、かなり衝撃でした。
本書に出てくる親がそれぞれの宗教に入信する状況を読むと、どれも信じるに値する教義とはとても思えずどうしてそんな教義をそこまで信じることが出来るのか疑問を感じざるを得ない、というか全く理解できませんでした。
信じる者だけが救われるからと言いながら、結局自分一人が救われたいがために人を巻き込んでいるだけではないか。巻き込まれた子供が本当に可哀想という言葉では表現しきれないほど悲惨で困難な人生を追わされていることに怒りを感じました。

自分も子供の頃、親が入信した宗教により(本書に出てくる宗教とは別です)クリスマスやお祭り、神社のお参りなどが禁止され友達と一緒に行動できなかったり、大人になってからも遠くへ引っ越ししても結婚してからも、いる先々へ追ってきて宗教の集まりに参加しろと激しい勧誘や訪問を受け結構しんどい思いをしました。住所が変わっても名前が変わっても追われることに恐怖と怒りを感じました。
現在はその宗教との関わりを全て絶つことが出来、亡き両親も救われたい一心で入信した心情が理解できているのでいいですが、関わりのあった当時は親が勝手に決めたものを何故自分の意思で拒否しきれないのか理不尽と考え、どこへ訴えたら解決できるのか真剣に悩んでいました。

しかしここに出てくる子供たちのように、生活全てを管理され、生きていくのに必要な常識やスキルを得る機会を喪失し人格形成に大きな傷をつけられるような生き方にならなかったことを思うと自分ははるかに恵まれ守られていたのかもしれないと気づかされました。
このような人生を歩まされた子供の救済は児童相談所ではとても対処しきれないでしょう。
子供が自分で電話する仕組みも増えていますが、そこから脱したあとも別に新たに、救済出来る体系だった仕組みが必要なのではないかと考えます。

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2021年10月04日

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