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Posted by ブクログ
表紙を見てギョッとしたが、とても興味のある分野だったため手に取った。
どの章も読んでいて胸が痛んだ。カルトの子が背負う現実はあまりにも想像を絶するものだった。本来、子どもが誰しも持っている権利がどこにもない。そして暴力が正しいとされていることが何より怖かった。目の前にいる自分の子どもへ愛情を注がずに、神や楽園、幸福など目に見えないもののために必死になる。それが私には信じられない。
でも実際にその渦中にいたら自分もそうなってしまうのだろうか。正義が逆転していても違和感を感じなくなるのだろうか。
たくさんのことを考えさせられた。子どもが受ける暴力の中に宗教が関係している場合もある、ということを知ることができた。この本で取り上げている宗教は、私は全く理解ができない。だが理解はできなくても知ることはできる。視野を広げて子どもの声を聴くことができる。
時間を置いてまた読み返したい。
Posted by ブクログ
エホバの証人って何者?と知るのであれば本書よりふさわしいものはないだろう。今はデザイナー的な仕事(間違ってたらすみません)を行っている著者は9歳から母親が信者になったことで運命が決まり、家族の価値観全てが証人の世界となって大人になり、そしてある日電撃的啓示を受けて証人のマインドコントロールから抜け出すこととなる。
とりあえず本書から知ったこと、感想を列挙
・エホバの証人は他の新興宗教系からイメージするものとは違い、本当に真面目で、誰か教祖的な存在が信者から金を巻き上げるものではない。なにせ学歴を否定して、信者には信者を増やすための活動をするためには新聞配達などの自由な時間が持ちやすい(しかし金にはならない)仕事がいいと勧めるからだ(今違うらしい、本人は本部の方針転換に後に怒っている)
・エホバの証人にとっては彼らが考える「聖書に提示された行動規範」より正しいものは存在しない。恣意的な解釈であることも明らかなのだが、そのせいで子どもたちは母親にお尻をムチで叩かれることが多い。
・その行動規範の中には例えば性行動の否定もあり、婚前セックスなど全くありえない価値観である。ロックも駄目なら映画も基本的には駄目。文化的にはかなりお寒くなるため、信者同士の会話は信仰をどう守るか、守れないのはサタン(そう悪魔がいるのよね)の仕業だという内容に終始することとなり、非常に中身が薄い。
・良い点を挙げるとすれば、世界中に張り巡られた信者ネットワークである。従って信者は世界中どこに転居しようとも、そこにいる信者たちの歓待を受けられる。そのために、付き合いも家族くるみとなり、現代の通常の生活ではありえないほどの知人の数を持ち、しかもその付き合いが基本的に有効的。これは見知らぬ町で新生活をスタートするにあたって大きな安心感となるだろう。当然信仰生活を守るという点があってこそだが。
上記知ることができただけでも本書は秀逸であり、実際この体験談を通じて証人生活を脱退する人も多いらしい。
私個人的にはキリスト教の学校で育ったので、もともとエホバへも知識と偏見と両方あったのだが、非常に興味深かった。とはいえ、「聖書」って人が書いたもので、かつ福音書とか矛盾だらけですからね。なんというかその「人が想像で書いた書物」を信仰することへのナンセンスになぜ皆思い至らないのか、とは思ってしまうんですよねえ。それと著者の信仰廃棄のきっかけが江原智之のスピリチュアル世界だったりするので、あぁ科学的思考とかじゃないんだ?とちょっとその点気がかりではありました。
「霊的なるもの」から逃れられない記述が目立つのでその点で星4つ。
Posted by ブクログ
私がここに書かれている宗教の「カルトの子」当事者だからかも知れませんが「もしカルトの子に生まれてくると分かっていたら生まれてきたかっただろうか」という文章に関してはあまり感心しないというか、同意できるものではありませんでした。
他人に対して「不幸」を勝手に定義するのもどうかと思うし、更に「不幸な子供は生まれても来ない方が良かった」という考えは危険な香りさえしました。
個人的には、なんだかんだ、生まれてくればこっちのもんだと思っています(笑)。もちろん、そう思えるようになったのは、他のスピ系の本や、般若心経、荘子、スピノザといったものに出会えたからかも知れません。私はラッキーだっただけとも言えるので、他の「カルトの子」は全員そうもいかず、今ももがき苦しんでいる人がいると思うといたたまれない事は確かです。それこそこの本を読んで、「やっぱり生まれてこない方が良かった」なんて思いを強くしてしまう人がいるのであれば、それこそが一番不幸かなと思ったりしました。あ、私も他人の不幸を定義してしまったわ(苦笑)。
そんな風に著者の一文に自分自身の存在を否定されて心が傷つけられながらも、この著者は比較的中立の立場でルポを書かれているので、一定の安心感があります。世間の人から理解されないという無力感には慣れているところもあり、私の場合は、そういうのを差し引いて読む必要がありましたが、少なくとも私の出身宗教に限って言えば、実情をよく取材されて向き合って下さったなと思います。
Posted by ブクログ
カルト集団(オウム、エホバの証人、統一教会
ヤマギシ会)に入信した信者の子供たち(二世)の環境をレポート。
親が入信する中、子どもには選択肢はなく、入信となる。
親は、教団の教えが最優先、次々と教団の最優先の事項に対応し、子どもに構う暇はない。
子どもには本来の親のような愛情がなく、場合によっては隔離されたりするか、激しいしつけをされるかなどそれぞれの環境は過酷。
エピローグに記載があった以下フレーズが印象に残る
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ところが、これまで見てきたカルトの親子関係は、親の要求を子どもが満たすという歪な関係になっている。
カルトが入り込むと、子どもより世界救済(オウム)、地上の学園(エホバの証人)、地上天国(統一教会)、全人幸福社会(ヤマギシ会)の方が絶対になるから、親子関係が逆転する。この逆転した関係を子どもが従順に受け入れ、親に合わせた生き方をすれば立派なカルト二世になっていくし、拒否すれば親子関係は「断絶」する。
ある日突然、自分のことを絶対だと思っていてくれたはずの親がカルトに入る。子どもの眼に、親はどう映るのだろうか。
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