【感想・ネタバレ】カルトの子のレビュー

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Posted by ブクログ

20年代に発刊された本なのかと思いきや本ルポが発刊されたのはなんと20年前だという。それでもこの我々が見落としてきた事件の数々と犠牲になってきた子供たちの姿は何なのだ。
マスコミは一時的な熱狂によって報道はするが、その後を報道しようとしない。結局、スポンサーありき、注目ありきの事だからなのだが……。
閑話休題。
カルトによって人生を奪われた二世の人生は壮絶で大きな悲しみに溢れている。このようなルポが注目を集めて国を動かしてもいい。新興宗教の動向が注目を集めている昨今、重要な一冊である。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

オウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会、ライフスペースの子供たちを取材した本。

カルトに出家した親に同行した子供たちは社会から隔離され、暴力によって支配されるか育児放棄される。栄養状態も悪い。それらの弊害が学力不足、平均以下の体格、そしてとりわけ深刻な情緒面の不安定さとなって表れる。カルトで隔離されて過ごした期間は子供たちにとってトラウマとなる。対人関係がうまくできず社会に出ても孤立しがちで、学力がないから低賃金の職業にしか就けない。そもそも社会に出られず引きこもってしまうケースもある。

子の欲求に親が応えるのが通常の親子関係だとすればカルトの親子関係は親の欲求を子供が満たす逆転したもの。常に犠牲となるのは弱い者だ。エホバの証人と幸福会ヤマギシ会における虐待の実態には胸が悪くなる。我が子がこんな目に遭っているのに洗脳が解けない親は救いようがないがそのまま覚めない方が幸福なのかもしれない。

自分の家庭を崩壊させたり家族を不幸にしたりしている人間が世界を救うなんて笑止千万という気持ちにもなった。

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

米本氏の体を張ったであろう取材に、
緊張が伝わってきます。

エホバの証人
ヤマギシ会
統一教会

宗教2世の実態を知りたくて読み進めましたが、
親の見解と判断が弱さであるとするならば。
虐待をも良しとするエホバの証人やヤマギシ会、
そして、結婚の自由や金銭を奪う統一教会により、

親を人質にとられた選択を強いられる子どもは

普通の子どもとはいえるのでしょうか。

読んでよかったし、親族にもエホバの証人に誘われた事があった人がいたことを思い出す。

子どもへのいかなる暴力は許されない

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2022年11月13日

Posted by ブクログ

表紙を見てギョッとしたが、とても興味のある分野だったため手に取った。
どの章も読んでいて胸が痛んだ。カルトの子が背負う現実はあまりにも想像を絶するものだった。本来、子どもが誰しも持っている権利がどこにもない。そして暴力が正しいとされていることが何より怖かった。目の前にいる自分の子どもへ愛情を注がずに、神や楽園、幸福など目に見えないもののために必死になる。それが私には信じられない。
でも実際にその渦中にいたら自分もそうなってしまうのだろうか。正義が逆転していても違和感を感じなくなるのだろうか。
たくさんのことを考えさせられた。子どもが受ける暴力の中に宗教が関係している場合もある、ということを知ることができた。この本で取り上げている宗教は、私は全く理解ができない。だが理解はできなくても知ることはできる。視野を広げて子どもの声を聴くことができる。
時間を置いてまた読み返したい。

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2022年04月06日

Posted by ブクログ

 私がここに書かれている宗教の「カルトの子」当事者だからかも知れませんが「もしカルトの子に生まれてくると分かっていたら生まれてきたかっただろうか」という文章に関してはあまり感心しないというか、同意できるものではありませんでした。
 他人に対して「不幸」を勝手に定義するのもどうかと思うし、更に「不幸な子供は生まれても来ない方が良かった」という考えは危険な香りさえしました。
 個人的には、なんだかんだ、生まれてくればこっちのもんだと思っています(笑)。もちろん、そう思えるようになったのは、他のスピ系の本や、般若心経、荘子、スピノザといったものに出会えたからかも知れません。私はラッキーだっただけとも言えるので、他の「カルトの子」は全員そうもいかず、今ももがき苦しんでいる人がいると思うといたたまれない事は確かです。それこそこの本を読んで、「やっぱり生まれてこない方が良かった」なんて思いを強くしてしまう人がいるのであれば、それこそが一番不幸かなと思ったりしました。あ、私も他人の不幸を定義してしまったわ(苦笑)。

 そんな風に著者の一文に自分自身の存在を否定されて心が傷つけられながらも、この著者は比較的中立の立場でルポを書かれているので、一定の安心感があります。世間の人から理解されないという無力感には慣れているところもあり、私の場合は、そういうのを差し引いて読む必要がありましたが、少なくとも私の出身宗教に限って言えば、実情をよく取材されて向き合って下さったなと思います。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

親でなく、カルトの子どもという立場を取り上げて書かれているので内容は読んでいてすごく辛かった。
自分が幼い頃、近所にはエホバが。就職してからは職場近くにヤマギシがあった。
どちらも宗教団体と分かっていたが、こんなに子どもがつらい思いをしている場所と言うことをこの本を読むまで知らなかった。
安倍さんの事がきっかけでこの本を読んだのだか、知らない事を知るというのは大切だと思う。

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2022年10月10日

Posted by ブクログ

カルト集団(オウム、エホバの証人、統一教会
ヤマギシ会)に入信した信者の子供たち(二世)の環境をレポート。

親が入信する中、子どもには選択肢はなく、入信となる。
親は、教団の教えが最優先、次々と教団の最優先の事項に対応し、子どもに構う暇はない。

子どもには本来の親のような愛情がなく、場合によっては隔離されたりするか、激しいしつけをされるかなどそれぞれの環境は過酷。

エピローグに記載があった以下フレーズが印象に残る
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ところが、これまで見てきたカルトの親子関係は、親の要求を子どもが満たすという歪な関係になっている。
カルトが入り込むと、子どもより世界救済(オウム)、地上の学園(エホバの証人)、地上天国(統一教会)、全人幸福社会(ヤマギシ会)の方が絶対になるから、親子関係が逆転する。この逆転した関係を子どもが従順に受け入れ、親に合わせた生き方をすれば立派なカルト二世になっていくし、拒否すれば親子関係は「断絶」する。
ある日突然、自分のことを絶対だと思っていてくれたはずの親がカルトに入る。子どもの眼に、親はどう映るのだろうか。
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2022年05月29日

Posted by ブクログ

エホバの証人って何者?と知るのであれば本書よりふさわしいものはないだろう。今はデザイナー的な仕事(間違ってたらすみません)を行っている著者は9歳から母親が信者になったことで運命が決まり、家族の価値観全てが証人の世界となって大人になり、そしてある日電撃的啓示を受けて証人のマインドコントロールから抜け出すこととなる。
とりあえず本書から知ったこと、感想を列挙
・エホバの証人は他の新興宗教系からイメージするものとは違い、本当に真面目で、誰か教祖的な存在が信者から金を巻き上げるものではない。なにせ学歴を否定して、信者には信者を増やすための活動をするためには新聞配達などの自由な時間が持ちやすい(しかし金にはならない)仕事がいいと勧めるからだ(今違うらしい、本人は本部の方針転換に後に怒っている)
・エホバの証人にとっては彼らが考える「聖書に提示された行動規範」より正しいものは存在しない。恣意的な解釈であることも明らかなのだが、そのせいで子どもたちは母親にお尻をムチで叩かれることが多い。
・その行動規範の中には例えば性行動の否定もあり、婚前セックスなど全くありえない価値観である。ロックも駄目なら映画も基本的には駄目。文化的にはかなりお寒くなるため、信者同士の会話は信仰をどう守るか、守れないのはサタン(そう悪魔がいるのよね)の仕業だという内容に終始することとなり、非常に中身が薄い。
・良い点を挙げるとすれば、世界中に張り巡られた信者ネットワークである。従って信者は世界中どこに転居しようとも、そこにいる信者たちの歓待を受けられる。そのために、付き合いも家族くるみとなり、現代の通常の生活ではありえないほどの知人の数を持ち、しかもその付き合いが基本的に有効的。これは見知らぬ町で新生活をスタートするにあたって大きな安心感となるだろう。当然信仰生活を守るという点があってこそだが。
上記知ることができただけでも本書は秀逸であり、実際この体験談を通じて証人生活を脱退する人も多いらしい。
私個人的にはキリスト教の学校で育ったので、もともとエホバへも知識と偏見と両方あったのだが、非常に興味深かった。とはいえ、「聖書」って人が書いたもので、かつ福音書とか矛盾だらけですからね。なんというかその「人が想像で書いた書物」を信仰することへのナンセンスになぜ皆思い至らないのか、とは思ってしまうんですよねえ。それと著者の信仰廃棄のきっかけが江原智之のスピリチュアル世界だったりするので、あぁ科学的思考とかじゃないんだ?とちょっとその点気がかりではありました。
「霊的なるもの」から逃れられない記述が目立つのでその点で星4つ。

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2021年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる途中で、私が育った家庭環境かな?という描写があったので驚いた
暴力・暴言の中で育っていたので、それが性格が歪んだ原因だと思っていたのだが
どうやら親から存在をなかったことにされたことに一番ダメージを受けていたというのを知ることができた
例によって私も職を転々とし、大切にしてくれた異性の愛情を信じることができず追い詰め結局手放されてしまった
両親ともにカルト宗教にのめり込んでいたわけではなく、世間から見れば普通の親だったのだろう
それが余計に怖い

あとがきでカルトではない家族間でも同じ状況になりうると書いてあった大きく頷いてしまった

内容とずれてしまったが、始終追体験をしているような奇妙な感じだった

何を信仰するのも自由だが、親の付属品として拒否権がない状態で宗教施設に入れられてしまう子供のことを思うと辛い

どんな親の元で育つかでその後の人生が決まってしまうので、親と子もカルトみたいなものだなぁ、と
親になる資格は必要だと思う、せっかく産まれたのに不幸な人生はしんどい

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会の中で育ってきた子供たちの有り様とそこを脱出したあとの人生について書かれています。
カルトはここに書かれただけではないでしょうが、組織の大きなものや事件が起きたところをメインにしているのでしょう。
エホバの証人が布教活動にいつもたくさん子供を連れて歩いていることの謎が解けました。

あまりにも身体的精神的に暴力が激しく加えられるという状況(ネグレクトも含め)がどのカルトでも起きていて読んでいて目をおおいたくなるような箇所がたくさんありました。
親が入信する前に産まれた子供と入信後に産まれた子供とは扱いに差があるということも、かなり衝撃でした。
本書に出てくる親がそれぞれの宗教に入信する状況を読むと、どれも信じるに値する教義とはとても思えずどうしてそんな教義をそこまで信じることが出来るのか疑問を感じざるを得ない、というか全く理解できませんでした。
信じる者だけが救われるからと言いながら、結局自分一人が救われたいがために人を巻き込んでいるだけではないか。巻き込まれた子供が本当に可哀想という言葉では表現しきれないほど悲惨で困難な人生を追わされていることに怒りを感じました。

自分も子供の頃、親が入信した宗教により(本書に出てくる宗教とは別です)クリスマスやお祭り、神社のお参りなどが禁止され友達と一緒に行動できなかったり、大人になってからも遠くへ引っ越ししても結婚してからも、いる先々へ追ってきて宗教の集まりに参加しろと激しい勧誘や訪問を受け結構しんどい思いをしました。住所が変わっても名前が変わっても追われることに恐怖と怒りを感じました。
現在はその宗教との関わりを全て絶つことが出来、亡き両親も救われたい一心で入信した心情が理解できているのでいいですが、関わりのあった当時は親が勝手に決めたものを何故自分の意思で拒否しきれないのか理不尽と考え、どこへ訴えたら解決できるのか真剣に悩んでいました。

しかしここに出てくる子供たちのように、生活全てを管理され、生きていくのに必要な常識やスキルを得る機会を喪失し人格形成に大きな傷をつけられるような生き方にならなかったことを思うと自分ははるかに恵まれ守られていたのかもしれないと気づかされました。
このような人生を歩まされた子供の救済は児童相談所ではとても対処しきれないでしょう。
子供が自分で電話する仕組みも増えていますが、そこから脱したあとも別に新たに、救済出来る体系だった仕組みが必要なのではないかと考えます。

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2021年10月04日

Posted by ブクログ

非常に興味深かったです。
オウム、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会で生まれた子供達の当時の生活、そこから抜けてからの今。
宗教に関わらず、親のある強いイデオロギーが子供に与える影響を知れる。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

名前だけ聞いたことがあり宗教団体だということしか詳しくは知らずにいましたが読んでみたら深く考えさせられた。

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2023年02月15日

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