作品一覧

  • 洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇
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    なぜ、親たちはヤマギシ会に魅かれるのか。周囲からは「児童遺棄」とすら見られなくもないのに、なぜわが子を突き放し第三者の手に委ねてしまうのか。ヤマギシ学園の中ではいったい何が行われているのか? 表面を見る限り、ヤマギシ会は善意の人たちの集まりのように思える。いつもニコニコ顔でやさしく応対してくれた。しかし、一歩踏み込んで取材をしてみると、子どもたちの心を傷つけてしまう邪悪な集団のように見えてくる。(本文より)  対立や争いごとのない、金の要らない幸福な農村……ユートピア社会の実現をめざしたはずの共同体は、いかにして崩壊に至ったか。洗脳のかなめである「特講」をはじめて体験取材。人間の脆さとノンフィクションの底力を証明した、色あせぬカルト・ドキュメンタリーの金字塔。第29回大宅壮一ノンフィクション賞候補作。 ●米本和広(よねもと・かずひろ) 1950年、島根県生まれ。ルポライター。横浜市立大学卒業。「繊研新聞」記者を経て、フリーに。著書に『カルトの子』(論創社)、『洗脳の楽園』『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)、『教祖逮捕』(宝島社)など。2022年7月に安倍元総理を殺害した犯人から手紙が届いたとして注目を集める。
  • 教祖逮捕 「カルト」は人を救うか
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    カルト商法、洗脳、児童虐待、家族崩壊……。カルトをめぐる問題が次々と表面化している。彼らに共通するのは「絶対性」(教義)と「違法性」にある。問題にすべきなのは、サブリミナルを使った心理操作、恐怖心を煽る勧誘、法外な献金など、具体的な違法性である。だが、人は何らかの〈救い〉を求めてカルトに入る。入信の過程でまやかしや詐欺的トークがあったにせよ、それがなければ胡散臭いと思われている団体に入ることはありえない。カルトが人々にもたらす〈救い〉とは何か? 今後のカルト現象とカルト被害を読み解く上で必読の一冊。 プロローグ 人はなぜカルトを信じるのか PART1 カルトと金……福永法源の「法の華」カルト商法のカラクリ PART2 進化するカルト……自己啓発セミナー屋さんはいかにしてグルとなったか PART3 洗脳、神秘体験、カルトが人の脳を変容させる方法……再考〈貴乃花・TOSHI“洗脳”騒動〉 PART4 若者はなぜカルトに魅かれるのか……親鸞会VS顕正会――学園キャンパスに吹き荒れる仏教ラディカリズム PART5 カルトと児童虐待……二元論の罠――セラピスト・服部雄一氏との対話 PART6 家族の「苦悩」から「再生」へ……こうして「カルト」からわが子を取り戻した エピローグ 作られた言説――マインドコントロール論 ●米本和広(よねもと・かずひろ) 1950年、島根県生まれ。ルポライター。横浜市立大学卒業。「繊研新聞」記者を経て、フリーに。著書に『カルトの子』(論創社)、『洗脳の楽園』『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)、『教祖逮捕』(宝島社)など。2022年7月に安倍元総理を殺害した犯人から手紙が届いたとして注目を集める。
  • 我らの不快な隣人 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇
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    診断名はPTSD(心的外傷後ストレス障害)。飲んでいる薬は導眠剤、睡眠薬、安定剤、抗鬱剤など一〇種類に及ぶ。彼女たちの共通点は三つある。かつて統一教会の信者であったこと、信者時代に「ある日突然、実の親に拉致され、アパートやマンションに監禁されていた」こと、そして、その監禁場所で統一教会からの脱会説得を受け、最後には脱会したことである。(本文より)  これまでカルト視される宗教団体を批判してきた著者だが、一方で“反カルト陣営”側の問題点に気づく。忘れられがちな元・信者のその後を取材すると、そこには脱会をめぐる、知られざる攻防戦があった……。カルトにまつわる問題の根深さを描いた衝撃のノンフィクション。 ●米本和広(よねもと・かずひろ) 1950年、島根県生まれ。ルポライター。横浜市立大学卒業。「繊研新聞」記者を経て、フリーに。著書に『カルトの子』(論創社)、『洗脳の楽園』『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)、『教祖逮捕』(宝島社)など。2022年7月に安倍元総理を殺害した犯人から手紙が届いたとして注目を集める。
  • カルトの子
    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    私たちの親が信じたのは、オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会だった……。ごく普通の家庭にカルト宗教が入り込んだとき、子どもはどんな影響を受けるのか。教団のなかで、家庭で、何が起きているのか。カルトの子どもたちによる壮絶な証言の記録。

ユーザーレビュー

  • カルトの子

    Posted by ブクログ

    20年代に発刊された本なのかと思いきや本ルポが発刊されたのはなんと20年前だという。それでもこの我々が見落としてきた事件の数々と犠牲になってきた子供たちの姿は何なのだ。
    マスコミは一時的な熱狂によって報道はするが、その後を報道しようとしない。結局、スポンサーありき、注目ありきの事だからなのだが……。
    閑話休題。
    カルトによって人生を奪われた二世の人生は壮絶で大きな悲しみに溢れている。このようなルポが注目を集めて国を動かしてもいい。新興宗教の動向が注目を集めている昨今、重要な一冊である。

    0
    2023年04月26日
  • カルトの子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    オウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会、ライフスペースの子供たちを取材した本。

    カルトに出家した親に同行した子供たちは社会から隔離され、暴力によって支配されるか育児放棄される。栄養状態も悪い。それらの弊害が学力不足、平均以下の体格、そしてとりわけ深刻な情緒面の不安定さとなって表れる。カルトで隔離されて過ごした期間は子供たちにとってトラウマとなる。対人関係がうまくできず社会に出ても孤立しがちで、学力がないから低賃金の職業にしか就けない。そもそも社会に出られず引きこもってしまうケースもある。

    子の欲求に親が応えるのが通常の親子関係だとすればカルトの親子関係は親の欲求を子供が満た

    0
    2023年02月14日
  • カルトの子

    Posted by ブクログ

    米本氏の体を張ったであろう取材に、
    緊張が伝わってきます。

    エホバの証人
    ヤマギシ会
    統一教会

    宗教2世の実態を知りたくて読み進めましたが、
    親の見解と判断が弱さであるとするならば。
    虐待をも良しとするエホバの証人やヤマギシ会、
    そして、結婚の自由や金銭を奪う統一教会により、

    親を人質にとられた選択を強いられる子どもは

    普通の子どもとはいえるのでしょうか。

    読んでよかったし、親族にもエホバの証人に誘われた事があった人がいたことを思い出す。

    子どもへのいかなる暴力は許されない

    0
    2022年11月13日
  • カルトの子

    Posted by ブクログ

    表紙を見てギョッとしたが、とても興味のある分野だったため手に取った。
    どの章も読んでいて胸が痛んだ。カルトの子が背負う現実はあまりにも想像を絶するものだった。本来、子どもが誰しも持っている権利がどこにもない。そして暴力が正しいとされていることが何より怖かった。目の前にいる自分の子どもへ愛情を注がずに、神や楽園、幸福など目に見えないもののために必死になる。それが私には信じられない。
    でも実際にその渦中にいたら自分もそうなってしまうのだろうか。正義が逆転していても違和感を感じなくなるのだろうか。
    たくさんのことを考えさせられた。子どもが受ける暴力の中に宗教が関係している場合もある、ということを知る

    0
    2022年04月06日
  • カルトの子

    Posted by ブクログ

    親ならば必読。悪い見本市。精神面でも行動面でも似たようなこと、構造が同じようなことは子どもも含めた家族にはしないと誓いたい。

    0
    2025年11月21日

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