あらすじ
時は大正12年-。
将来の将校を育成するための学校「陸軍幼年学校」で軍人教育に染まりきった青少年 竹善介は、女性のような美しさを持つ謎めいた軍医 緒方朔と出会う。
初めは疎ましい存在だったはずの緒方のことを知るうちに徐々に惹かれていく竹。
しかし緒方の心を占めているのは別の存在で――?
モダンの風が吹く大正時代を舞台に描く、美しくも儚い軍人たちの物語。
著者人気作『神軍のカデット』(小学館)と同じ世界線で描かれる話題作!
(※『神軍のカデット』と話はつながっていません)
【目次】
Episode-0
Episode-1 トロイメライ
Episode-2 アラベスク
Episode-3 コンソラシオン
感情タグBEST3
内容が濃い
じっくり ゆっくり読みたい本だ。
エピソードのタイトルからして意味をもたせ想像を膨らませる
私の勝手な見解だが
エピソードタイトルは 全てピアノ曲
トロイメライ(シューマン)「子供の情景」第7曲
意味「夢想」
アラベスク(ドビュッシー)2つのアラベスク 意味「芸術のあらゆるモードの根底である装飾」
コンソラシオン(リスト)第3番 意味「慰め」
女の子として 男の子のそばにいたい
振袖に袖を通し包まれる安堵感
しかし精通 胸のない身体 現実を突きつけられる
軍服も正解に描かれているよう 巻末に軍事法規研究会による解説がある
3巻まで自身の電子書籍として揃っている
2巻は2巻でまたコメントを書きたいと思っている
Posted by ブクログ
大正時代、中性的で美しい主人公と軍人たちとの出会いと別れを繰り返す恋模様が描かれている。主人公は少女になりたい気持ちが強いが、ジェンダーは男性である分、セクシャル的な葛藤も描かれていて深い。大正モダンの服や雰囲気や景色にも風情を感じて視覚的にも楽しめる。買ってよかった。