あらすじ
天代大君の毒殺未遂が起こった。現在の天代大君は第一王子の実母。王位継承絡みの線で、第二王子一派に疑惑の目が向けられる。そして使用された毒がアヘンだったことから、黒浦にも疑惑の目が向けられて…。犯人捜しが始まろうとしている。
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舞台は琉球を彷彿とさせる島々からなる王国、龍宮。
王によって滅ぼされた古来から住まう巫女の民“ルカ”の生き残りであるオトは、女であることを隠し一族の怨みを晴らすために第一王女の暗殺を企てます。
しかし、忍び込んだ先にいたのは王女ではなくアスと名乗る替え玉の男だったのです。
オトは人の嘘がわかるという能力を持っていました。
暗殺は未遂に終り捕らえられたオトですが、自分が殺そうとしたアスによって助けられます。
そして、アスや従者たちの嘘を繋ぎ、驚愕の真実を知るのです。
それは、王女は女ではなく、アス自身が王女であるということでした。
オトの能力に有益さを見出したアスは、頻発する王女暗殺未遂の犯人探しをさせるために手元に置くことにします。
更に、アスはオトに「結婚しないか?」とまで持ち掛け…。
王族に怨みがあるオトはどうしても王族であるアスのことを許すことができないのですが、アスの優しさに触れ次第に心が揺らいでいきます。
嘘が見抜けるからこそ、彼の本心に気付いてしまったのです…。
アスとオトは女装の男子と男装の女子という組み合わせですが、ジェンダーレスなキャラクターが登場する物語は最近のトレンドと言えます。
更に宮廷・陰謀論・偽装結婚といった要素がテンポよく織り込まれており、極上の物語になっています。
描くのは、『大正ロマンチカ』『初恋ダブルエッジ』『花はどっちだ?』の小田原みづえ先生。
どのキャラクターも生き生きとしており、心の機微が丁寧に描かれているのは「流石、小田原先生!!」と言いたくなります。
1巻はアスが女装をし王女として生きる理由や、“ルカ”が狙われる理由など、ドラマチックな展開が続き、一気に読み進めてしまいます。
宮廷・後宮ファンタジーが人気の昨今ですが、新たな宮廷ファンタジーの誕生と言えるのではないでしょうか。
感情タグBEST3
先が気になります
世界観としては琉球王朝なんでしょうが、独自の世界があり、その細かい設定も気に入っているところです。主人公のオト、アスのコンビが好きです。オトの方が年上なのに、アスの方が中身は大人かなと。二人の関係が今後、どのように変化していくのかも見所の一つだと思います。個人的には、カミヤ・サイ夫婦のやりとりが一番好きかも。魅力的なキャラクター満載でこれからの展開に注目です。
どうなるの?!
この展開から、一体どうなっていくのか
ほんとに小田原先生の作品は
先が読めずドキドキハラハラします。
その中に、ほんのりしたキュンが含まれていて
たまらない魅力になっていますよね。
オビトさん、食えないなぁ…