【感想・ネタバレ】嘘よみと偽飾の王女 5のレビュー

舞台は琉球を彷彿とさせる島々からなる王国、龍宮。
王によって滅ぼされた古来から住まう巫女の民“ルカ”の生き残りであるオトは、女であることを隠し一族の怨みを晴らすために第一王女の暗殺を企てます。
しかし、忍び込んだ先にいたのは王女ではなくアスと名乗る替え玉の男だったのです。

オトは人の嘘がわかるという能力を持っていました。
暗殺は未遂に終り捕らえられたオトですが、自分が殺そうとしたアスによって助けられます。
そして、アスや従者たちの嘘を繋ぎ、驚愕の真実を知るのです。

それは、王女は女ではなく、アス自身が王女であるということでした。

オトの能力に有益さを見出したアスは、頻発する王女暗殺未遂の犯人探しをさせるために手元に置くことにします。
更に、アスはオトに「結婚しないか?」とまで持ち掛け…。

王族に怨みがあるオトはどうしても王族であるアスのことを許すことができないのですが、アスの優しさに触れ次第に心が揺らいでいきます。
嘘が見抜けるからこそ、彼の本心に気付いてしまったのです…。

アスとオトは女装の男子と男装の女子という組み合わせですが、ジェンダーレスなキャラクターが登場する物語は最近のトレンドと言えます。
更に宮廷・陰謀論・偽装結婚といった要素がテンポよく織り込まれており、極上の物語になっています。

描くのは、『大正ロマンチカ』『初恋ダブルエッジ』『花はどっちだ?』の小田原みづえ先生。
どのキャラクターも生き生きとしており、心の機微が丁寧に描かれているのは「流石、小田原先生!!」と言いたくなります。

1巻はアスが女装をし王女として生きる理由や、“ルカ”が狙われる理由など、ドラマチックな展開が続き、一気に読み進めてしまいます。

宮廷・後宮ファンタジーが人気の昨今ですが、新たな宮廷ファンタジーの誕生と言えるのではないでしょうか。

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ネタバレ購入済み

凄い展開

2022年12月15日

前の花婿選定のときもそうだったけど、読者に「どっちか分からない」ように見せてハラハラさせるのが上手い!そして義理人情を絡めて巫女の逃げ場のなさを描いてるのが凄いです!主人公二人の相棒感も良いですね、すごく好きです!

#アツい #切ない #ドキドキハラハラ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月18日

「あたしが泣くのはできる全てをやり切ってから」。
流石だなと思う。
諦めずそれぞれが動いたことで事件は解決したが
非常に後味が悪い。
ならどうすれば良かったのか、が全く答えがでてこない。
国が変わらなければ無理としか言いようがなく
暗い気持ちになってしまった。

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