あらすじ
累計72万部突破の大人気シリーズ最新刊! 刃物でめった刺しにした殺人事件の容疑者の男は、犯行は認めたが、なぜか被害者を認識していなかった。その後も酷似した殺害方法が続き、やがて被害者は皆、SNS上でミステリー作家・佐藤青南を批判していたことがわかる。佐藤は心理学を駆使する警察官が主人公のミステリーで人気を獲得。オンラインサロンを運営しており、多くの会員をもつ。佐藤に疑念を抱いた取調官の楯岡絵麻だが、佐藤は行動心理学に精通しており、絵麻に隙を見せない。さらに行動心理学で見破った事実は証拠にならないと豪語する佐藤。はたして佐藤青南の殺人教唆は成立するのか?
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Posted by ブクログ
表題をみて期待値を高めていた。その期待通り、中々の緊迫感であり、絵麻の敗北と思わせての逆転はしっかり伏線回収にもなっており見事であった。
前作の最後が気になる終わり方だったので今作でのどのように繋がってくるのかと思って読んでいたが、最後に脇役かと思っていた広瀬真沙代も巻き込んでの展開になっていきそうで続編がより楽しみになってきた。
また、実際とは全く異なる人物像とはいえ自分の名前を作品に登場しているだけでもかなり楽しめる作品であった
Posted by ブクログ
楯岡絵麻と同じ、嘘を見破る能力を持つ小説家、佐藤青南が登場する。
まさか作者と同じ名前の犯人が出てくるとは。
でも、いつもながら安定して面白い。同じ能力を持っているので絵麻も感情を読まれてしまい、いつもとは勝手が違う。さらに佐藤青南は絵麻に感情を読まれても全く動じない
いつもと違う感じで楽しかったです。
Posted by ブクログ
楯岡絵麻がシリーズの著者と同姓同名の作家・佐藤青南と対峙する話。ミステリ作家は時々こういう作品を書く人がいますな。
ある殺人事件の被害者が佐藤青南のアンチ,加害者が佐藤青南の熱狂的なファンと言うところから話が展開する。そして佐藤青南自身は一癖も二癖もある人物。続いて起こる殺人事件の犯人は? 佐藤青南自身の関与は?
とはいえ,佐藤青南は分断関係の単なる被疑者の関係者という以上のものではなくそういう意味では通常のシリーズ作品と何ら違うところはない。なぜ敢えて佐藤青南を登場させたのかの意図は良くわからない。強いて言えば絵麻の生みの親であるから絵麻と同じ行動心理学の知識を持っているということか。
Posted by ブクログ
シリーズものだがここから読んでしまった。
ある作家のアンチを狙って起こされる殺人事件。その真相はー?
佐藤青南のイメージはかなり西野に近く、いろいろ観察されたのだろうなと思う。
心理学を駆使しての犯人との丁々発止のやり取りも面白い。謎はさほど複雑でなく軽く読めるミステリ。
章題の一つに「嘘はつかないが本当のこともいわない」という一節があり、これがとても印象に残った。
これだよな、と。
作中に実名でミステリ作家名が出ており(天祢涼、知念実希人、今村昌弘)こちらも読みたくなった。
Posted by ブクログ
初めてこのシリーズを読んだ、ドラマ化されそうだなという印象だった。ある程度とっつきやすく、良より並の評価をもらえそうな作品だと感じた。
根底にあるテーマは、「本質」だと感じた。芸術と模倣は切っても切れない関係だと思うし、それをテーマにした作品で内容は一貫していた。
売れることと作品の評価は別だが、売れなければ評価されないという矛盾など言いたいことは伝わるし、考えるべきテーマだと思うので、表現力がもっとあれば面白い作品になったと思う。
読みやすかったが、心理学の用語と解説を多用していて、専門書を軽く読んだ人がその表面知識を使ってるようで、もったいないと思った。もう少し内容を濃くして、心理学を謳うのだから心の機微を深く書いたらさらにいい物になると感じた。
一つ気になったのは、流れと登場人物や話の構成が知念さんの天久鷹央シリーズに似ていた。本作でその名前を出すぐらいだから好きなのかもしれないが…盗作とオマージュの境界について述べていたり、盗作しても実力が伴わなければ駄作になるようなことを述べていたり、最後に次作に繋がるような内容を持ってきて売ろうとするあたりが皮肉がきいてると感じた。