あらすじ
物理学者は研究だけでなく、日常生活でも独自の視点でものごとを考える。著者の「物理学的思考法」の矛先は、日々の身近な問題へと向けられた。通勤やスーパーマーケットでの最適ルート。ギョーザの適切な作り方、エスカレーターの安全性、調理可能な料理の数…。超ひも理論、素粒子論という物理学の最先端を研究する著者は、何を考えて学者になったのか? レゴを愛し、迷路づくりに勤しむ少年時代。数学の才能の無さに絶望し、物理学の面白さに開眼した大学時代。思考に集中すると他のことが目に入らず、奇人扱いされる研究者人生…。超ひも理論、素粒子論という物理学の最先端を研究する学者の発想は、日常をまさに異次元のものにしてしまう。面白く読み進めながら物理学の本質に迫る、スーパー科学エッセイ。
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Posted by ブクログ
理論物理学者の著者が培ってきた個人的な思考法を日常生活に適応したエッセイ、と冒頭で述べているように、サイエンスの本ではなく、理系雑学エッセイです。
花火がどーん!と上がって次のうち、どちらの感想を思い浮かべますか?
1.今のはマグネシウムがちょっと多いな。
2.音の遅れから発火点は約2キロ
3.仰角が30度だから三角関数が使いやすい。
4.1~3のいずれでもない。
このうち、2番が物理系です。
これを読んで( ゚д゚)ポカーンとする人は、本書は読めません。4番の人も面白くないかもね。因みに自分は1番だったので化学系で、紅色はストロンチウムだね、とか言ってしまうタイプ。3番は数学系。
頭の良い人とキチガイは紙一重といったりしますし、物理学者だけでなく、多くの科学者は変人的な要素を多分にもっていますが、ところどころに出てくる奥様が、理論物理学的な考察を、現実的な解(一般常識ともいう)で一刀両断するところがエスプリになっていてほほえましい。片意地張らずに読める、休憩するときの甘いカフェラテのような印象でした。