【感想・ネタバレ】異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読むのレビュー

あらすじ

我々は、何に魅入られ 何を恐れてきたのか――?

人獣、モンスター、天使と悪魔、妖精、異様な建造物から魑魅魍魎まで――。
一見して奇異で不穏、そしてメッセージ性に富む「異形のもの」の美術作品は、画家の「書きたい」という意志をも凌ぐ「見たい」という大きな需要によって支えられてきた。
それら絵画はなぜ描かれ、なぜ鑑賞者に長く熱く支持されてきたのか。
神への畏れ、異性への恐怖、淫欲と虚栄、人間本性への疑義、薄れゆく信仰心……描かれた怪の中に人間の本質を読む、「怖い絵」シリーズ著者待望の最新刊!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆるモンスター、章立てしてある蛇、悪魔と天使、キメラに続いて風景・廃墟にも一章割いてあるのが良かった。『悪しき母たち』の最後の一文にはそりゃそうだろなと。

人間を模した異形たち、老婆の顔をモチーフとして描いても乳房だけは若々しいものを描きたいものなのだなとある意味感心した。

最後に記してあった、収録作品に女性画家のものがひとつしかないという点について。「異形」という自分の理解し得ないものへの恐怖、関心、それを描くことによって理解を深める或いはただ好きなだけ等々あるだろうが、主に女性が蹂躙されたりあるいは悪の権化として妖艶に魅力的に描かれている作品の数々を眺めていると、女性画家にとって自分を脅かす「異形」は常にそばにいるので長時間相対する絵画のモチーフとしてわざわざ選びたいものではないのかもしれない。

この本だけではないが、内容と収録されている作品が面白いだけに、印刷の具合で黒く潰れすぎているものやのどにかかっている部分に解説がついているともったいなくて残念に思う。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この世には存在しないものを人間の想像力で表現することは絵の大きな価値の一つだなと、改めて感じました。

といいつつ、私が気に入ったのは、ガスパー・フリードリヒ「ブナの森の修道院」1809-10頃と、ヴィルヘルム・ハンマースホイ「室内」1898。静かな風景の中に漂うどこか不穏な空気がぞわぞわして好きです。

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2022年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

妖精が好きなので手に取りました、久しぶりの中野さんです(*´▽`*)

人獣、蛇、悪魔と天使、キメラ、ただならぬ気配(空間と建物(?))、妖精・魔女、魑魅魍魎が取り上げられています。

全裸の絵が多かったなぁ。

個人的に一番印象深かったのは
廃墟となったルーヴルのグランドギャラリー想像図/ユベール・ロベール…SFとしての絵画。昔の人の考えていた"if"が絵画として観られるのが面白い。

その他気になった作品
ハルピュイア/作者不詳
アントワネットのプロパガンダ作品、よくこんな気持ち悪い絵が描けるなぁ…。

森の火事/ピエロ・デ・コジモ
人面獣、こっち見んな、笑ってしまう。

オルガス伯の埋葬/エル・グレコ
顔だけ(体のない)天使…、悪趣味すぎる!!

処女と一角獣/ドメニキーノ
一角獣の顔の表情がセクハラめいている…。

エル/ギュスターヴ=アドルフ・モッサ
1905年に描かれたとは思えないほどの現代感。

キュクロプス/オディロン・ディロン
こちらもエヴァンゲリオンの使途か進撃の巨人かというぐらい現代っぽい。

面白かったんですが、「○○は以前出版した△△を参照してください」というのが多かったので☆3つです(;´∀`)

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2022年05月28日

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