【感想・ネタバレ】古代史の正体―縄文から平安まで―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

「日本文化の基層は弥生人が作った」「大化改新で悪玉の蘇我氏が成敗された」――。この種の「通説」は旧態依然のまま半世紀前と変わらない。それを乗り越えるためには、考古学の知見を生かした上での、大胆な推理が必要となる。「神武と応神は同一人物」「聖徳太子は蘇我入鹿」「壬申の乱は親蘇我と反蘇我の闘い」など、透徹した目で古代史の真実に迫ってきた筆者のエッセンスを一冊に凝縮した、初めての通史。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆる通説を覆す系の本。日本書紀は実質的に編纂した藤原不比等の意向により藤原氏の正当化がなされているというのが全体的な主張。史学と考古学さらには万葉集といった文学を統合させて自説の根拠としてく手法は壮大だが、こうした本の例に漏れず主張が断定的で眉に唾つけて読むことは必須。
ヤマト政権は瀬戸内、日本海、東海などの各地勢力が奈良盆地に実権を持たない祭祀王を推戴することで成立した。
院政が権力を摂関家から天皇家へ奪い返すことができたのは、人事権によるもの。生前退位による後継者指名によって藤原家の息のかかっていない皇子を天皇にすることができたため、外戚としての摂関家の重要性を低下することができた。乾隆帝の生前退位と同じ理屈か。

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2021年07月11日

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