【感想・ネタバレ】食品産業の未来 ネスレの挑戦のレビュー

あらすじ

「よいものを、より多くつくる」が、かつての食品業界の目標だった。しかし、世界人口が増える一方で、高齢化や慢性疾患の増加、高まる健康意識など、食を取り巻く環境は激変している。持続可能性や資源保護、環境問題など、幅広い課題に取り組む必要がある。こうした状況の変化に対処できるかどうかで、この先の成長が決まる。また「生命科学」の各分野で研究が進み、食生活と健康の関係が解明されつつある。そこで得られた新たな解決策を活用して、わたしたちが食習慣を変えれば、健康状態を最適に保ち、防げる病気もある。これからの数十年で、食品業界は、「健康」を切り口としたイノベーションの波を起こすだろう。さまざまな状況で生きる人たちの健康状態が、先進的なテクノロジーによって軒並み改善される。21世紀の急性および慢性疾患の予防と治療には、科学的知見をもとに個別化した「栄養」が大いに効果を発揮して、医療費の削減も実現できるだろう。世界最大の食品会社であるネスレを約20年にわたり率いてきた著者が語る、食品産業の未来。食品の工業生産の起源から、最先端の「ニュートリゲノミクス」までを俯瞰し、その可能性と課題を探るとともに、ヘルスケア分野に事業領域を拡げるネスレの新たな食企業への挑戦を語る。

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Posted by ブクログ

1.SDGsが叫ばれている中、実際の企業はどのような取り組みをしているのかが気になったので読んでみました。
今後の食のトレンドについて、グローバルな視点で語っている人の意見を聞きたくなりました。

2.1997年に著者がネスレのCEOとして就任して以来、「共通価値の創造」を宣言し、単なる食品企業ではなく、株主と社会貢献を両立させながらビジネスに取り組んできました。
現代は飽食時代となっており、2型糖尿病を中心とした過食によってもたらされる病気が急激に増加してきました。ネスレは研究開発費に15億スイスフラン(約1兆8600億円)をつぎ込み、ウェルネス企業へと転身していきました。元々は乳幼児用スープを開発していた企業がここまで成長してきた様子が簡単に触れられるとともに、食品業界がどのような変化を経てきたのかが描かれております。

3.今後の食のトレンドは「栄養で予測と予防」ではないだろうかと感じました。今の日本はインスタ映えが主流になっておりますが、その流れも下火になってきております。どんな人でもきれいに写せるようになっているからです。しかし、そのように上げている写真の多くは健康的な食事でしょうか?大抵、スイーツやパスタ、米、パンだと思います。私自身、写真撮影の仕事もしているため、このような食品がいかに見栄えが良く撮ることができるかを知っています。そのため、健康面は後回しにされ、自己承認欲求を満たすために食べるという思考パターンの人が多くなっています。この流れを止めるためには、食品企業に勤める身としては、健康的な食品をどんどん生み出していきたいと思いました。

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2022年02月14日

Posted by ブクログ

世界の食品企業がどのように発展してきたのかわかりやすい。
特にEUの食品企業の強さにはびっくりした。
SDGsや健康軸の内容にも触れていたが、日本企業の5年前くらいからすでに取り組んでいる印書を受けました。日本の食品会社は最大手でも海外ではネスレに勝てない理由がなんとなくわかった。

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2024年10月16日

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