あらすじ
平成から令和に元号が改まり、新しい時代が始まったのは2019年(令和元年)5月1日。それから1年後の2020年(令和2年)5月の世界を誰が予想していたでしょうか。それは言うまでもなく、新型コロナウイルスの世界的な感染爆発です。
1989年に始まった平成時代の30年間は日本経済にとって激動の30年間でしたが、令和時代も波乱の滑り出しとなりました。
昭和時代の第2次世界大戦の敗戦から、戦後復興、高度成長期、2度にわたる石油危機を乗り越え、経済大国に躍進した日本。その頂点のバブル経済は、昭和から平成への時代の大きな変わり目でした。平成バブルは崩壊し、日本経済は「失われた20年」とも称される長いトンネルに入りました。平成の終わりにはようやくトンネルを抜けて、明るい日差しが注いできたのですが、令和を迎え様々な課題が浮かびあがってきています。
本書は、令和時代を迎えた日本経済の過去、現在、そして未来をわかりやすく解説することをねらっています。
これまでの日本経済の入門書は、第2次世界大戦後の日本の経済復興から始まることが多かったと思いますが、この本は平成の30年間の日本経済の歩みから始まります。平成バブルやその崩壊を実体験として知らない世代の読者を意識しているからです。
平成の30年を振り返った後は、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)が生み出すデジタル革命(第2章)、地球温暖化とエネルギー問題(第3章)、急速に進む人口減少と少子・高齢化(第4章)、金融・財政政策の試練(第5章)、日本とグローバル経済(第6章)といった個別の課題を解説します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本経済のコロナ禍の過去、現在、未来について。
バブルの崩壊から始まった平成の30年やデジタル革命、金融危機、国際協力の枠組み、エネルギー問題、少子高齢化や福祉、アメリカの凋落や中国の台頭。
コロナによって歴史が一変したようにも見えますが、結局は長い歴史の1頁に過ぎないのかもしれません。著者は最後に安全保障は日米の枠組みを上手く使い、経済は国際協調の枠組みを上手く使ってきた結果が今の日本だと言います。そしてゲームチェンジャーが変わっても、国際協調の枠組みを上手く利用して行くことが大切だと言います。
不気味な大国が隣にあり、最大の盟国が昔ほど頼りにならない今、自分の身は自分で守る覚悟が必要かなと感じました。
Posted by ブクログ
より専門性や個別性を持つ経済の論点についての書籍を読むにあたって、本書のような前提知識が必要であるのは間違いないが
自分の読書スタイルや経済問題への触れ方からすると、そういった読解の困難に遭遇した段階で基底となる知識を実地的に摂取すればいいかとも思ってしまう。
内容としては淡々としたもので小綺麗にまとまっている。
Posted by ブクログ
平成あたりの経済の流れについてざっくりと話した本
まあそんな事もあったよなあという思い出しに良い
平成:バブル・金融危機・リーマンショック・東日本大震災・小泉改革・民主党政権・アベノミクス・コロナ
デジタル革命:ビックデータ・AI・シェアリング
脱炭素社会:カーボンゼロ・SDGs
人口減少:少子化・高齢化・介護・社会保障
金融政策:ゼロ金利・デフレ・異次元緩和・財政健全化
グローバル化:中国一帯一路・米国内向き・TPP
Posted by ブクログ
確証バイアス
無意識に自分に都合の良い情報を集めてしまう
バブル崩壊後の不良債権 7兆9000万円
情報公開や危機への制度的枠組みがなかった 公的資金投入への抵抗
1997年 経営破綻
菅内閣
脱炭素:2050年温室効果ガスゼロ
デジタル改革:自治体システム統合 捺印99%不要
社会保障:75歳以上 2割負担
第4次産業革命 インダストリー4.0 ドイツ2011年
再生可能エネルギー2030年 世界の4割に
2025年問題 団塊の世代が75歳以上に
2040年問題 団塊ジュニア 高齢化のピーク
日銀
中央銀行 物価の安定 金融システムの安定
1999年 「ゼロ金利」金融政策では世界の先頭
2001年 「量的緩和」民間銀行の国債を購入 「時間軸政策」指針の提示
2010年 リスク資産買い
2013年 「異次元緩和」
期待への働きかけ:時間軸政策 消費者物価指数2%まで上げる
長期金利引き下げ:国債購入 日銀総資産GDP1.3倍
マイナス金利
2020年度 一般会計算出 102.7兆円→175.7兆円 税収63.5兆円→55.1兆円