【感想・ネタバレ】本のエンドロールのレビュー

あらすじ

本の奥付に載っている会社名の後ろには、悩みながらも自分の仕事に誇りを持ち、本を造る「人」たちがいる。豊澄印刷の営業・浦本も、日々トラブルに見舞われながら「印刷会社はメーカーだ」という矜持を持ち、本造りに携わる一人。本を愛する人たちの熱い支持を集めた物語が、特別掌編『本は必需品』を加え、待望の文庫化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「印刷会社はメーカーだ」
著者、出版社、印刷、デザイン、データ制作、製本。本が造られるまでにどのような人たちが関わっているのか、その人たちは何を考えているのか。印刷会社営業の浦本を中心として彼らの仕事と矜持を描くお仕事小説。
40年作家をやっていても自分の本が造られる過程を知らなかった。作中で一条早智子が語った内容だけど、読者である自分にとっても考えてもみなかったことだった。作品名であるところの本のエンドロール:奥付も読んだことなかったし、そこに書かれる会社名の奥にこんなに熱い想いを持った人たちがいるんだと思うと、ますます本が好きになりそう。特に『世界でいちばん透きとおった物語』については読んだ当時は「えーすごい!」くらいの感想だったが、この小説を読んで、そのすごさがより感じられるようになったと思う。これこそ、本を造った人たち全員の作品ということを強く感じる。
最初は本を造りたいという想いが先行する浦本に対して、肯定的な人、否定的な人がいる感じだったが、浦本の気持ちと仕事に対する姿勢が製造の野末や営業の先輩 仲井戸をはじめとした人たちの心に影響を与えていき、出版業界の厳しい情勢は変わらずとも、皆が前を向いて仕事ができるようになっていた。理想論でも綺麗ごとでも、語ってそれを実現しようと足掻く様は周囲の人々に良い影響を与えるということを感じられた。最初は浦本のことを顧客の要求を丸呑みして厄介な仕事を押し付けてくる伝書鳩だと揶揄していた野末が、同じ伝書鳩扱いながら、最後には浦本に想いを託すようになる。浦本がやっていることは同じはずなのにこんなにもストーリーの雰囲気が違って見えるものなんだなあと感心してしまった。
また仕事はお客のため世のためにすることではあるけど、根っこでは自分のためにやっていいんだということもかなり共感した。自分のためにというのはそのままの意味というより、自分が良い影響を与えた周囲のひとたちが自分のためになることをしてくれるという面が強いと思っている。そのほうが自分が自分を幸せにしようとするより何倍も幸せになれる。浦本の様子はそれを体現しているようで、こんなふうに仕事ができれば幸せだなあと思った。

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2026年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

難しく考えることはないはずなのに、少し考えさせられる。
本という題材を用いて、緩やかに失われつつあるニーズの対象がどのように存在し続けていくか?それに携わるものは何を考えるのか?三者三様の接し方があるよな、と受け止めた。
例えばこういう人もいるんじゃないか?いやこういう人もいるよな…と想像しうる必要十分な人材が、登場人物として現れるためよく練られているなと思う。
これから物体としての本がどこへ向かうのか。ほんのり考えるきっかけになった。

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2026年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印刷会社の営業って何してるの?

お仕事小説、面白かったです。主人公は真面目で情熱のある印刷会社の営業マン。先輩、上司、他部署の人たちとのやり取り、ぶつかり合いも含めて他業種でもあるあるの出来事(主に予算と納期)で右往左往。電子書籍が後ろから迫ってきて追い抜いていきそうな恐怖。

納期が押しちゃうって装丁変更とかイメージ通りに刷れてなかったとか、色々あるんですね。私は手に取る本は昔からあまり装丁にこだわりはないタイプなので逆に作家や装幀家の方々がこんなにこだわりがあるんだなぁと驚きました。

良書だけどメディア展開がなさそうな理由もちょっと分かります。トラブルを持ち込む方々、改心しない方もちらほら。こだわりを持って仕事をされてるから、でしょうけど、特に最後のエピソードは変えてしまわないとダメだろうなぁ。

私個人は漫画は電子書籍に移行しましたが小説は紙の本がいいですね。電子書籍は各販売サイトにあって、一つの本棚に纏めて眺めることができないんですよね。これがわりとめんどくさい(笑

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本が好きな人は読むべし!
地方の弱小出版社としては、印刷後に誤字を見つけるとかひぃ〜!ってなるし、締切を伸ばすがいかに無茶かがわかったし、特色とか印刷の話が面白い。
印刷営業、工場勤務、編集、データ制作、表紙デザイン…と、1冊の本がこんなにもたくさんの人の力でできているのだと感じられる。みんなそれぞれ仕事内容や立場はもちろん仕事観も違って、それでも「良い本を作りたい」という思いだけは共通。

…ただ野末、お前はダメだ。仕事はできるのかもしれないけれど、家庭内での態度が…。作者は結構年配の人なのかな?今は令和だぞ?

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2025年11月22日

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