【感想・ネタバレ】本のエンドロールのレビュー

あらすじ

本の奥付に載っている会社名の後ろには、悩みながらも自分の仕事に誇りを持ち、本を造る「人」たちがいる。豊澄印刷の営業・浦本も、日々トラブルに見舞われながら「印刷会社はメーカーだ」という矜持を持ち、本造りに携わる一人。本を愛する人たちの熱い支持を集めた物語が、特別掌編『本は必需品』を加え、待望の文庫化!

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Posted by ブクログ

昔から読書好きだけど、本がどうやってできるかを考えたことがなかったことに頭を殴られた。
本が本としてできあがるまでに、これほどの人や職人さんの技術がかかわっているとは。
お仕事小説かつ、本への賛歌でした。
電子書籍の黎明期&印刷業が斜陽という世相もふまえつつ、本作りに誇りをもっていた製本業界のリアル
当初は紙の本は駆逐されないだろう見通しも、コロナ禍と断捨離思考で電子化はここ数年で一気に躍進した。
紙の本はなくならない、でも仕事としては淘汰されていくのを止められない悲しさ。
それでも誰かのための一冊が今日も生まれていく。
本当に読んで良かった本でした。

1
2024年07月21日

Posted by ブクログ

紙の書籍派である人間として、この本を買ってからしばらく読まずに積んでいることを後悔した。奥付に出版社だけではなく印刷会社も記載されていることは知っていたが、その裏にどういう人たちがいるか考えたことがなかった。自分も仕事をするようになって1つのサービスの裏にたくさんの人がいることを知っているはずなのに。彼ら、彼女らがいなくては私のもとには本が届かない。当たり前のように本が読めることに感謝しつつ、これからも紙の書籍の購入を続けていきたい。

1
2024年04月14日

Posted by ブクログ

目の前のことに立ち向かい、一生懸命になる人達の生き方、気持ちの揺れが描かれていた。

なんのために働くのだろう。
なんのためにこれをするのだろう。
誰にでも当てはまる疑問を登場人物たちも抱えていた。

先が不安だからやめようという
……ではなく、
先が不安でも今を頑張ろう
という気持ちの切り替え方、私もまねしたい。

そして、本を作る過程を学ぶこともできたのが良かった。

0
2025年11月23日

Posted by ブクログ

印刷会社から本、そして業界の内情や将来などを見据え、その中に仕事とは、家庭とは、という現実的な悩みも交え、大団円的に収束していく。
とてもよかった。本に携わっていくことに希望が湧いた気がします。

0
2025年08月27日

Posted by ブクログ

良い本でした。
機会があって、本を何度か出版しましたが、その裏側を改めて知れてよかったです。
事実を淡々と映すような文章でも伝わることはありますが、このような読み応えのある物語にしてくれたおかげでまた違う角度から理解できた気がします。

0
2025年08月04日

Posted by ブクログ

読みたいリストの中から手に取った作品。

印刷会社営業、印刷オペレーター、DTPオペレーター…様々な視点から描かれる印刷会社を舞台としたお仕事小説。

一冊の本を造るために、こんなにたくさんの工程があり、こんなにたくさんの人が関わっているなんて…!
本がどのように造られているのか、本の価格設定がどのようにされているのか、など分かっているようで分かっていなかったことを今作を読んで学べた。
思ったより手作業が多いことにも驚いた。

印刷会社を沈みかけの船に例え、いつかは沈むとしても現役でいる間は絶対に沈ませない、よりよい本を造りたい、と奮闘する登場人物たち。
最初は不穏な感じが漂っていたが、営業の浦本を中心に数々の困難を乗り越える度にチームワークが深まっていく展開がとても胸熱だった。
彼らの労働を通して読み手も自分に問いかけたくなるのではないか。
「なぜ働くのか」
「なんのために働くのか」と。

巻末に設けられている奥付。
私は奥付を読むのが好きで、自分の本も子どもの本もまず奥付から目を通す。
でも全部の項目に目を通しているわけではなかったので、これからは隅々まで目を通そうと思った。
私が日々読んでいる本にはたくさんの方の想い、苦労が詰まっているのだということを心に留めておきたい。

私は電子書籍よりも紙の本が好き。
本が増えすぎて困るという悩みはあるけれど、これからも紙の本を愛読していこうと思った。
とても素敵な作品だった。

✎︎____________

印刷会社は決められたものを刷って複製するだけではない。
物語に"本"という身体を授け、お似合いの服を着せて世に送り出すのだ。(p.11)

人の出会いに縁があるように、本と人との出会いもまた縁だ。
本と人は一対一で対峙する。
読者はたとえ「つまらなかった」と読み捨てた本からも、何かを受け取る。時には一冊の本が読者の心を突き動かし、人生を変えることもある。
本とはそういうものだ。
自分たちが造っているものは、そういう大切なものなのだ。(p.61)

こだわりなんて、見方によってはばかばかしいものだ。だが、こだわりを捨てたら、俺たち職人は職人じゃなくなる。(p.69)

お守りを信じる心こそが、お守りになると知ったわけよ。つまりそれがご利益ってわけだ(p.71)

仕事を超えて恩を感じたり、感謝を表したい時もある(p.180)

書店は本と人との出会いを繋ぐ場だ。作りこまれた本棚が、良い本を一冊でも多く売りたいという書店員の熱量を物語っている。(pp.185~186)

たとえ他に何もできないとしても、これしかないと思える仕事に出会えたなら、なんと素晴らしいことだろう。(p.198)

大事にすれば、機械は応えてくれる。仕事仲間だよ(p.261)

厚み、重み、手触り。紙やインキの香り、ページをめくる音、表紙カバーのたわみ。五感の端々に伝わるもの全てが本なのだと思う。(p.294)

正しくなくても、後悔さえしていなければいいと思う(p.340)

豊澄印刷の文字の向こうに、全社員の名前が刻まれていると思う。奥付は本のエンドロールだから(p.356)

考えるべきは『どうなるか』ではなく『どうするか』だ(p.375)

誰かの役に立つこと、あるいは何かの役に立つことは、自分の幸福につながる。自分のために働いていいのだ。(p.414)

夢や希望を語るには、今日明日の実績が必要だ。(p.429)

理想や矜持があってこそ、目の前の仕事に向かう熱量も高くなる(p.470)

この仕事をやっていてよかった。そう思える瞬間が日常の端々、所々にあればそれはきっと幸せなことだろう。(p.471)

0
2025年01月11日

Posted by ブクログ

印刷会社社員のお仕事小説

以下、公式のあらすじ
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彼らは走り続ける。機械は動き続ける。電子化の波が押し寄せ、斜陽産業と言われようとも、この世に本がある限り。印刷会社の営業・浦本は就職説明会で言う。「印刷会社はメーカーです」営業、工場作業員、DTPオペレーター、デザイナー、電子書籍製作チーム。構想三年、印刷会社全面協力のもと、奥付に載らない本造りの裏方たちを描く、安藤祐介会心のお仕事小説。
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新卒採用の説明会で「印刷会社はメーカーです」という言葉を放った浦本学
営業のエース 仲井戸が「夢は目の前の仕事を毎日、手違いなく終わらせることです」と言った後の反発した想いも含みながらも、あながち的外れではない
ただ、工場の野末には「お前はただの伝書鳩だ」と自分の仕事を否定される


映画なら制作に携わった人たちの名前がクレジットされるのに、
本の場合は、奥付に記載される情報は著者、出版社、印刷会社、発行年月日程度
しかし、その裏には様々な人が携わっている

作者が綴った文章が、編集者、装丁デザイナー、DTOオペレーター、印刷者、製本者など様々な人の手を経て「本」になる
そして、その本を配本し、書店でお客の手元に届ける仕事もある


5章で構成される物語の中で、それぞれ「紙の本」制作に関するドラマが描かれる

・スロウスタート
・長篠の風
・ペーパーバック・ライター
・サイバー・ドラッグ
・本の宝箱
・文庫版特別掌編「本は必需品」

特定の月に間に合わせるように出版したい作者、出版直前に発覚した致命的な誤植
連絡がつかなくなった編集者、有名デザイナーのこだわりと無茶振り
ヒットに恵まれない作家が増刷をかけて背水の陣の決意で挑んだ意欲作、意外な販売戦略
紙の本と電子書籍の違いの現状
締め切りのない、作家の想いが込められた作品紹介



斜陽産業であることが確定的な中で、それでも業界に立ち続ける意義とは?
理想と現実の差異
そんな中で自分できることとは何か?

私自身、本を読むのは好きだけど、その業界で仕事をしたいとは思わない
斜陽産業であるのも理由であるけれども、自分はそこまでの熱意も知識もないからかな
なので、今も尚本を出版するために携わっている人たちには感謝している


あと、自分の仕事への矜持に関してもあまりないかな
特に望みがあるわけでもなく、何も問題なく運用できていればいいという思いはある
なので、どちらかというと仲井戸のようなスタンスだろうか

しかし、自分の仕事が天職と呼べるような人は羨ましいとも思う



「夢で飯が食えるのか」という嘲り
いや、でも、もし自分が野末と同じような立場だとしたら、似たような感情を覚えるかもしれない
特にメロンのくだりのあたり
まぁ、その後のはしゃぎっぷりに関してはもっと上手く誤魔化すけどね


あと、調子の良いことを言って厄介なトラブルを持ち込む営業に対する反応としては正当な理由があるようにも思える
仲井戸さんなら余計な部分を捌いて持ってくるという対比があるからこそ尚更そう思う
知識のない部分に関しては伝書鳩になるのは仕方がないけれども、だとしたら営業の意義とは?を突きつけるのも仕方がない



電子書籍に関する議論
少しずつでもシェアを拡大しているし、しばらくは下がる見込みはない
私も紙の本の方が好きだし、それを仕事にしている人たちにとっては正に死活問題なのだろうけど
ただ「紙の本をなくしてはいけない」といっているだけではジリ貧でしょうね
紙の本のメリットをもっとアピールするか、紙の本でしかできない付加価値をつけるとか、もしくは電子書籍との共存する中で如何に延命措置を図るかという方向性でいくしかないでしょ

それにしても、出版社の電子書籍に対する販売戦略って適切なのか疑問
作中の人気作家のモデルは東野圭吾を想像してしまうわけだけれども
似たような事を京極夏彦は実際にやっている
「ルー=ガルー2インクブス×スクブス」の発売のとき
単行本、ノベルス、文庫、電子書籍の同時発売というアレ
結局売上的にどうだったんですかね?
京極夏彦も言っているように、単行本が買えないから文庫を買うわけでもなく文庫派だから文庫を買うという層もいるわけで
電子書籍も含めて出版の戦略のセオリーが通じない客も増えていると思うんですがね

ちなみに私は文庫派だし
好きな作家さんでも出版と同時に買うような熱心なファンでもないので、出版業界がマーケティングで重要視している顧客ではない
電子書籍も未だ本格的には手を出していない
何かのきっかけに端末を手に入れたらどうなるかわからない
マンガは電子書籍に移行してもいいかと少し思っている
こんな層も結構いると思うし、こんな熱心ではないファン層が市場にはゴロゴロいるはずなのに、そっち向けの販売戦略ではないんだよなぁ

作者の印税が8%だとか10%が適切かどうかはわからない
出版社、取次、書店の分配もそう
それぞれのリスクとコストの持ち分に関係しているようにも思える
電子書籍なら出版までのイニシャルコストはかかるものの、システムが既に出来上がっている環境であればロングテールの戦略を取れるし、もっと売り方としてできることが増えると思う

個人的にひっかかっている電子書籍のデメリットとして
電子書籍は閲覧権限であって、所有権ではないのがちょっとなぁ
いつ出版差し止めになって閲覧でいなくなってもおかしくないし、一度購入したものでも、再ダウンロードできなくなるケースも聞いたことあるし
メリットhは十分に理解しているけれども、やはり当面は紙の本を買うかな



最後の章は売上は見込めないけど作家の思い入れの強い本がテーマ

納期が決まっていないのでいくらでもこだわる事ができるし、デザインも二転三転ともなると
印刷会社として赤字は必至なので厄介な案件ですよね
この仕事が後に繋がるという保証でもあればいいけど、口約束ではねぇ……



そして、文庫おまけの「本は必需品」
短期的にはそうではないかもしれないけど、長期的には本は必需品ですよね


それにしても、文章を綴るのは作者だけど、それを「本」の形にして出版するのは名前が表には出ない人達あってこそ
それがこの物語ではよくわかる

正にこの本のエンドロールのクレジットを見るに、相当な関係者に取材したんだろうなぁと思う

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

一冊の本が出来上がるまでの裏側について描かれた作品。

『本は必需品。不急ではあるけど不要ではない。』

『(中略あり)自分の仕事を天職と言い切れる人はほんのひと握りで、多くの人は今の仕事ではない別の仕事、今の人生とは違う別の人生にかすかな憧れを残し、ぼんやりと引きずって生きているのかもしれない。』

この作品の最後にあったエンドロール、どの作品にも載せたらいいのに、いや、載せるべきだと感じた作品だった。

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2024年08月02日

Posted by ブクログ

アツい仕事人たちの、心温まるストーリー。
私の行き先にはいつも本がいてくれる。その本に携わる人はどのくらいいるのか?
知っているようで知らなかった工程は、やはり人間同士の思いのぶつけ合いだ。

この作者さんのお仕事小説、好きだな。
全てのページを丁寧にめくっていくと、最後の粋なはからいによりグッときますね。

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2024年06月13日

Posted by ブクログ

「読んでよかった」と思える作品でした。
こんなにも関わる人がいて、紙、装丁、印刷、製本…そして価格決定され、私たちの手に渡る。技術やこだわり、思いなど…今後、書店で本を手に取るところから変わる作品です。
どうか書籍が無くなりませんようにと、思いを馳せながら、今後も書店に通い続けたいと思います。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

あらすじ
営業、工場作業員、DTPオペレーター、デザイナー、本が本になるまでに関わる無数の人々。奥付の向こう側に隠された裏方の仕事を熱く描いたお仕事小説

総合点 4.7/5
めちゃくちゃ良かったです。

ストーリー  5/5
章ごとに一冊の小説が生まれていく構成。
その中で、キャラクター同士のストーリーも進行する読んでいても全く飽きない構成。
キャラクター 5/5
印刷会社の営業が主役。他にも本を愛する登場人物が数多くでるも、持ち場立場によって、本との向き合い方がちがうことが、一層ストーリーを面白くしています。
表現力 3.5/5
難しい表現はつかわず、読みやすい。
テーマ 5/5
紙の本の衰退、電子書籍の台頭。かなり熱いテーマでした。
満足度 5/5
本当に面白かったです。
人に紹介したいと思える本でした。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

本を作る人たちの物語です。
印刷会社の営業、浦本学が主人公。
紆余曲折しながらも素敵な本を作るために日々頑張る姿が描かれていました。
読書好きの人には面白い内容だと思います。
そしてこの本にはエンドロールが付いていて、それもとても興味深く読みました。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

本を読むのは大好きだけど、本ができるところなんて考えた事無かった。
こんなにも人の手間と情熱が詰まっていて、文庫で1000円しないなんて、安すぎるんじゃないだろうか。
印刷会社の人たちの情熱に胸が熱くなる一冊。
紙の本がこれからも生き残りますように。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

“本がどうやって作られるのか”を作家さんでも出版社でもない“印刷会社”という視点から描いていて面白かった。「この仕事をやってよかった」と思える瞬間を感じられたらそれだけで幸せだ。本のエンドロールの向こう側の人達の物語に触れて、「紙の本が好きだなあ」と改めて思った

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2023年12月05日

Posted by ブクログ

 読み切ってしまうのが惜しくなるほどの面白さでした。

 主要人物の描写も的確で、思わず感情移入してしまえるレベルだと思いますし、何より『いい本を作りたい』という情熱が彼らの言動からひしひしと伝わってくる描写には、とても感動しました。

 また、出版・印刷業界の実情もきちんと描かれていました。そして、その裏にある丁寧な取材と綿密な構想、執筆に費やした時間は想像に難くないほどです。
 それらが見事に結実した本作こそ安藤祐介さんの代表作だと思いました。

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2021年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印刷会社の営業って何してるの?

お仕事小説、面白かったです。主人公は真面目で情熱のある印刷会社の営業マン。先輩、上司、他部署の人たちとのやり取り、ぶつかり合いも含めて他業種でもあるあるの出来事(主に予算と納期)で右往左往。電子書籍が後ろから迫ってきて追い抜いていきそうな恐怖。

納期が押しちゃうって装丁変更とかイメージ通りに刷れてなかったとか、色々あるんですね。私は手に取る本は昔からあまり装丁にこだわりはないタイプなので逆に作家や装幀家の方々がこんなにこだわりがあるんだなぁと驚きました。

良書だけどメディア展開がなさそうな理由もちょっと分かります。トラブルを持ち込む方々、改心しない方もちらほら。こだわりを持って仕事をされてるから、でしょうけど、特に最後のエピソードは変えてしまわないとダメだろうなぁ。

私個人は漫画は電子書籍に移行しましたが小説は紙の本がいいですね。電子書籍は各販売サイトにあって、一つの本棚に纏めて眺めることができないんですよね。これがわりとめんどくさい(笑

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

本は昔から好きだけど、作家や編集者以外の本作りに携わる人のことは想像したことがなかったので、どのような流れで本が作られていくかを知るきっかけになった。
主人公の浦本が熱い人間で、周りの人が振り回されながらも最終的にはやれやれ、、笑といった感じで要望を聞いてあげているのは、彼の人望によるものなんだなあ。自分もそんな営業でありたいとおもった。
ただ、自分はお金のために日々仕事している側面が強いので、この物語に出てくる人々の熱さに少し気圧されてしまったかも、、、( ; ; )ちょっと後半読んでいるのが辛かった。何の目標や向上心もなく仕事している自分が悪いような気がして。
また違うタイミングで読んだらもっと響くのかな〜

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

印刷会社で働く人々のお話。主人公浦本の苦悩や挫折が忠実に描かれておりついつい共感してしまう。登場人物全員が考え方は違えど、己の信念に基づいて仕事をしており衝突もしながらも成長していく描写は何か熱くなるものを感じずにはいられない。仕事をしている人間なら誰もが楽しめる1冊。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

前職を思い出した
奥付に全員の名前がのってるのがじんときた
本1冊作ることの大変さがわかる1冊
作り手の思いも考えながらこれからも本を読み続けたい

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

いい本だ。
1冊の本にどれだけの人が携わり、どれだけの手がかかっているか。そのとおりだよ!と、何度もうなずきながら読んだ。それを、巻末のエンドロールが物語っている。いや、エンドロールにあがっている名前だけではなく、本書内で描かれている職種だけではなく、たとえ奥付に名前はなくても、まだまだ本に関わっている人は大勢いる(そこまでカバーしている点で『重版出来!』は名作だと思う)。
本だけではなく、どんなモノもいろんな人が関わっているんだろうな、と想像させる。
仕事との向き合い方は、人それぞれ。その人のやり方をいかに尊重するか、それも考えさせられる小説だった。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

良きお仕事小説。
本を作ると言っても工程がたくさんあり、知らないことも多い。
面白かったです。

奥付のエンドロールも良かった。

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2025年02月02日

Posted by ブクログ

「本のエンドロール」というタイトル通りに巻末に出版社だけでなく印刷会社や製本会社の各工程の担当者の名前が記されている。こんな本は今まで見た事がなく、本というのは本当にたくさんの人が関わって生まれるのだなと実感できる。

ストーリーはトラブルあり、厄介な人物ありのよくあるお仕事小説なのだけど、営業をはじめ製版や工場など、何をする仕事なのだろう?と思っていた印刷会社の仕事ぶりが丁寧に描かれていて勉強になった。あまりに詳細なので作者は元印刷会社の人なのかと思ったら、各所への綿密な取材のおかげらしい。

浦本は、少し理想主義ながらも共感できる主人公だったけど、野末は普通にモラハラなので嫌だな。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

普段何気なく手に取っている本。深く考えたこともなかったが、一冊の本にはたくさんの人の手を経て私の手元にある、と深く理解できる。主人公の浦本は気持ちや思いが先回りして、周りの社員ともハマっていない感じがよく描写されている。その浦本の思いが少しずつ皆の考えや行動を変えていきつつ、本の制作にたくさんの人が関わっていることが丁寧に綴られている。本好きなら読んでもらいたい。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

興味深く読んだ。
個人的にも紙の本に対しても書店に対しても、今後の行く末を心配している。
確かに電子書籍はとても便利だと思うのだけれど…どちらかというと私は、まだ紙派。

ただ、電子だと拡大とかできるから老眼鏡がなくても読めるし沢山の本を持ち歩く事もできる。便利でしかない。
何かが便利になると、何かが無くなってしまう。
そんなものが、今までにも数多くある。

お互い補い合って上手くいけばいいなと願う。

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

本ができる裏方の、印刷所の物語。
電子書籍にどっぷりの自分にとって、紙の本に対する価値観が改められる内容。
本が作られる過程を舞台にしつつ、裏方の熱い人間ドラマも描かれている。
この本はどんな思いでこの装丁に、紙質に、フォントになったのだろうと思いを馳せる。紙の本への見方が変わった一冊。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

普通に本を作る工程がおもしろくてスラスラ読んだ。
電子書籍で読んでしまいましたが。
私は特に昔は本とか全然好きじゃなくて、親に強制されて読む分、余計に嫌な記憶になって、自主的に本を読む人の気持ちなんか一生わからないと思った。
でもこうやって本を読んだりするのを楽しいと思えるようになったのは、本屋巡りをしてたくさんの紙の本の表紙やタイトルに出会ったから。
この楽しみ方は電子書籍にはできないから、やっぱり紙の本は残るといいよな、と思いながら読んだ。

『自分の仕事に誇りが持てるか』
各所に散りばめられていたテーマだったかと思う。ありがたいことに私は今の自分の仕事は好きだしもっと頑張りたいと思う環境にいるから、さらっと受け入れて読めたけど、もし自分が辛い思いをしてるタイミングだったらちょっと苦しいかも。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

4.5
一冊の本が世に出る為にどれだけの人が関わるのか、一冊の本の重みヒシヒシと感じました。

・仕事は自分の為にする。
・一つ一つを果たすことが自分の為になる。
・ささやかでもこの仕事をやっててよかったと思える実感が毎日を下支えする

自分が好きな事を仕事にできる人は少ないかもだけど、こんな心持ちでいればちょっと前向きになれるな。

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本が好きな人は読むべし!
地方の弱小出版社としては、印刷後に誤字を見つけるとかひぃ〜!ってなるし、締切を伸ばすがいかに無茶かがわかったし、特色とか印刷の話が面白い。
印刷営業、工場勤務、編集、データ制作、表紙デザイン…と、1冊の本がこんなにもたくさんの人の力でできているのだと感じられる。みんなそれぞれ仕事内容や立場はもちろん仕事観も違って、それでも「良い本を作りたい」という思いだけは共通。

…ただ野末、お前はダメだ。仕事はできるのかもしれないけれど、家庭内での態度が…。作者は結構年配の人なのかな?今は令和だぞ?

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

印刷会社の営業マンが主人公のお仕事小説。

1冊の本が出来上がるまでの流れがよく分かるし、
何よりも各描写がリアルすぎて、たくさん取材されて書かれたことが痛いほど伝わってくる。

ただ、少し期待しすぎてしまった感が否めない。

話の展開が似ていて、同じ話を何回も聞かされている感覚になってしまった。

ラストのメッセージも、割と使い古された内容でうーん…という印象。

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2025年03月19日

Posted by ブクログ

24/11/29 ピンとこず。期待値高かったからかもしれないけど、痒いところに手が届かないまま終わってしまった感じ。
奥付の見方は少し変わるかも。

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2024年11月29日

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