あらすじ
王都の貧民街で暮らす少年ノアは、ある日、奇妙な依頼をうける。
<修道院から、ある本を持ちだしてほしい。>
依頼主の黒ずくめの男爵は、本と引きかえに、ノアが姉と慕う少女の行方を教える、という。
怪しみながらも、情報ほしさに依頼を受けたノアは、首尾よく修道院に忍びこむ。しかし、盗もうとしたその本は、選ばれし者だけが読むことのできる魔導書<サロモンの書>だった。
やがてノアは、囚われの王女や、人語を話すネズミと出会い、依頼主である謎の男爵の正体にせまっていく。
1冊の本をめぐり紡がれる長編ファンタジー。
「あなたも、いっしょにいらしてください。」
「おれも?」
トマスは、ノアの青い瞳を見つめた。
「あなたこそ、〈青の読み手〉にちがいない。
わたしたちは、ずっとあなたをお待ちしていたのです。」
(本文より)
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Posted by ブクログ
シリーズ四巻の最後までハラハラドキドキでおもしろかった。貧民街育ちのノアと、一筋縄ではいかないサロモンの書。主人公の少年少女の成長もあり。それを支える魔女、修道士たちのキャラクターも良い。
Posted by ブクログ
貧民街で暮らす少年ノアが主人公。姉のように慕う少女を捜すために引き受けた依頼から、恐ろしい宿敵との闘いに巻き込まれていく。ノアを取り巻く、王女や僧侶、話すネズミなど、登場人物も多彩で、これからの展開に期待大の、第1巻。
Posted by ブクログ
一冊の本を巡るファンタジー第一弾。
貧民街の少年・ノアが一冊の本を修道院から盗むように男から依頼を受ける。
読みやすく程よいページ数の中にファンタジーの楽しさがギュッと詰まってる。面白くてあっという間に読み終えた。
平澤朋子さんの表紙がとても好み。中の挿絵も素敵だった。
Posted by ブクログ
絵やお話の雰囲気から外国の絵本みたいだった。
(ちょうどデルトラ・クエストなど読んだ後だったので)
町ネズミのノアが消えてしまったロゼ姉さんを探しているところからさまざまな出来事に巻き込まれていく。
書物がメインに来ているというのもそそられるストーリーだった。
なにかで見つけて読もうと思ってからずいぶん経ってしまったけど、思いがけず、最近続編が出ていたようで、すぐに続きに入りたいと思う。
Posted by ブクログ
これぞ正しいファンタジー。
きっちりとセオリー通りで文句のつけようがない。
ドキドキもハラハラも、最後の爽快感とそれに続く今後の展開へのワクワクと。
続編が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
小学生高学年から中学生向けのファンタジー作品です。
イメージ的には、革命直前のフランス・パリのような街並みを舞台としているのでしょうか。貧富の差や政争、貧しくもたくましく生きる少年たち、そして黒魔術と白魔術の戦いなど、大人の物語への架け橋として、良い出来の作品だと思います。
本巻だけでも楽しめますが、シリーズ本とのことで、続刊も手に取ってみようかと思います。
Posted by ブクログ
子どもなら夢中になるのかも。
大人だとどうしてもディテールが気になるかな。
架空の国を舞台にしたファンタジーで、地名や登場人物の名前はフランス語っぽいし、登場人物の見た目は白人である。時代的には中世、場所もヨーロッパのようではある。
しかし、修道院はあるがキリスト教はないようで、火の神や太陽神を信仰している。
「下町ネズミ」という町の何でも屋を請け負っている孤児の集団がでてくるので、彼らがもっと活躍するかと思ったらそうでもなく、ネズミたちを支配している猫の親方というのが、オリバー・ツイストのフェイギンみたいな悪いけど魅了ある人物かと思ったがあまり出番はなく、悪者のコクトー男爵との対決とサロモンの書の謎(まだ解けてない)が物語のメインになっている。
勧善懲悪がはっきりしているのはまあ良いとしても、悪役にあまり魅力がない。
長編だと(これはシリーズの第一作みたいだし)悪役に魅力がないと面白くないんだよなあ。
主人公もこの本ではまだ魅力的とは言いがたい。
でも、まあ最後まで読ませるし、それなりに面白いと思う。
指輪とかゲドとかクラバートとか超一流のファンタジーと比べなければ、悪くないかなと。
しかし登場人物が白人ばかりなのはやめて欲しい。架空の国の出来事なんだから(本当の中世ヨーロッパではなく)、別に白人だけにする必要はない。
というか、やたら金髪や青い目を礼讃してるのが(昭和の少女マンガみたいで)安っぽい感じ。
主人公が青い目であることが、今後重要なファクターになるとしたらそれはそれで良いけど、赤毛を金髪に染めるとか、本物の金髪じゃないとかはどうでもよくない?