あらすじ
太后(おおきさき)の体調が優れない。にもかかわらず太后は、祈祷や祓(はらえ)に頼り、医師の診察を受けないという。病か、それとも物の怪の仕業か――。胡人である父から医術を学び、京の後宮へやって来た瑞蓮(すいれん)は、祖母を心配する王女御(おうのにょうご)に依頼され、太后のもとを訪れるが、そこには太后お気に入りの陰陽師・大津氏が出入りしていた。しかしその大津陰陽師が、かちかちと歯を鳴らし始め、瑞蓮は流行病を疑う。祭祀や祈祷を生業とする大津氏は、己が「物の怪」にとり憑かれたとして祓おうとするが……。陰陽寮の学生として、安倍晴明も登場! 瑞蓮が、若き医官・樹雨(きう)とともに後宮のやんごとなき人々の相談にのりつつ、宮中で起きる奇怪な事件を解決していく平安お仕事ミステリー第三弾。文庫書き下ろし。
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Posted by ブクログ
最近よく読む後宮+女医ものだが、舞台が平安時代の日本というのが特徴。シリーズ完結作である。この作者の作品には極悪人が登場しないので疲れているときでも安心して読める。
Posted by ブクログ
トラブルでスタートした4月の疲れた脳みそでも読み進められるエンタメ作品。
医療と祈祷、病気に効くのはどちらかと言われたら医療に決まってるのだが、長年刷り込まれた考え方はどんな事実を目の前にしてもなかなか覆ることはない。
それが側から見たら馬鹿げたことでも、本人の中では絶対的に信じでいるからどうしようもない。
でも、一定何かに縋るのは今でも変わらないか。
2025.4.4
69
Posted by ブクログ
この時代だから仕方ないんだろうけど、医者よりも陰陽師に病気を治して貰おうとするのがもどかしいです。
そして東宮のふわふわした姿に対しての瑞蓮の苛立ちも判ります。太后と東宮の関係も歪で何とも言えませんでした。