あらすじ
百花繚乱の後宮で怪事件が――。大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮【あん・すいれん】は、腕を見込まれて博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で、御簾【みす】の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、奇っ怪な事件に巻き込まれていく。呪詛をしたのはいったい誰なのか。次の東宮になる思いがけない人物とは。瑞蓮と共に働くのは、若き医官の和気樹雨【わけの・きう】、ベテラン医官の石上崇高【いそかみの・むねたか】、それに加え、陰陽寮の学生・安倍晴明も現われて……。様々な噂が飛び交うなか、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して事件の解明に果敢に挑む、平安ミステリー。「平安あや解き草紙」シリーズが人気の著者による、女医を主人公にした「お仕事小説」。
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Posted by ブクログ
後宮+女医の二番・三番煎じかと思ったが,ちょっと違うテイストだった.お決まりの主役+ワトソン役のイケメンに加えて,安倍晴明も登場する.登場人物の心理描写やシナリオにも無理がなく,こういう読み物が好きな人にはお勧めの一冊である.二巻もあるようなので,読んでみたい.
(小田菜摘の2冊目だった)
Posted by ブクログ
謎は後宮のドロドロが原因なのですが、重すぎず、文章もすっきりしていて、サクサク読めます。
メインキャラも好感度高い性格です。
最近は中華後宮ものをたくさん読んでいたので、日本の後宮は激ゆるだなと思いました。
男性官吏や外部の人が簡単に出入りするし、宦官もいないし、女官に普通に恋人いたりするし。
(この作品での描かれ方がゆるゆるなだけで、実際はもっと厳しかったのかもしれませんが)
重すぎない話が読みたかったら良いと思います。
Posted by ブクログ
平安時代の後宮に博多からやってきた唐人女医が主人公のライトミステリー。
若い頃の安倍晴明とか、清少納言的な女房が登場する時代小説よりのお話だった。
病気の症状から、その原因に隠されている後宮や人間の闇を明らかにしていくことになるのだけど、話としては少し重いしスッキリ感はあまりない。
いっそ、この時代の道長や中宮定子なんかをダイレクトに出した方が面白かったかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
平安の後宮お仕事ミステリー。
中華ほどドロドロ感を感じず読めました。きちんと見立てる診療が好感をもてます。
心身の治療にあたるうちに巻き込まれていくのは王道で読みやすいですね。若き安倍晴明の登場も平安感があって良いです。
すでに続きがあるようなので楽しみです。
Posted by ブクログ
身分での差別、跡継ぎ問題などこの時代はかなり厳しかったろう
誰かの善意に頼ってひとりに苦労を押し付けてしまうところ(介護や仕事)、現代に通じる問題で考えさせられた
朱宮の今後がどうなるのかが一番気になるところ…
瑞蓮は樹雨や晴明と関わりながらさらに薬師として成長していきそう、続刊楽しみ
Posted by ブクログ
さらっとした感じで、現代にも通じるズドンと重い問題をこんな風に組み込んでくるとは…
楽しいけど、楽しいだけでない所が良かったです。
続きが気になります。
Posted by ブクログ
腕を見込まれ、都まで連れてこられた主人公。
それはそれは大変な場所で…。
貴族でないものは人であらず、がそのまんま、な場所。
それが普通、と言われればそれまで、です。
そんな中での仕事していたら、あの存在も登場。
ここに登場するという事は、これから先も何かある??
複雑すぎる家庭(?)事情。
手を出すなら、もう少し考えてくれ、と言いたい状況。
人の体で、うっぷんを晴らしてはいけません。
Posted by ブクログ
悪感情への理解や配慮が印象的な主人公でした。精神的にも経験的にも大人びており、樹雨や晴明の若さや純真さに気付かされる展開が良かったです。
朱宮も可愛かったです!
Posted by ブクログ
まあ面白かったが、超個人的な理由ながら、読んだ時期が悪く後悔した。そういうの、あんまり考えてなかったが、あるねぇ。とはいえ、長くも重くもないので暇つぶしにはなったが。
博多津で父と開業していた、安瑞蓮という薬師が主役の医療ミステリ。
深い緑色(翠)の目、赤みのあるアッシュヘア(花穂をつける前のススキののような赤みのある淡い色)、彫りの深い顔立ち、背が高く、毛皮をあしらった胡服をきている。
ある意味、異相であるというのは、”マナー”がわからなくても許されがちである、というのがないこともない。”しらない”という決めつけ先入観を相手がもってくれたりするのだ。
もちろん、その”相手”のレベルによって変わってくるが。
ともかく、その異相の麗人が内裏で治療に携わったりとか、
しながら、相手が勝手に自爆していくという系統。
結構優しい感じだが、
当時の外科というと”外”、皮膚疾患のことなので
個人的にあんまり得意ではない。
Posted by ブクログ
胡人の父と日本人の母の間に生まれた筑前の薬師の瑞蓮は京の都にやって来て、様々な貴人の治療にあたるうちに、いろいろな騒動に巻き込まれる。機転を働かして治療していくのだが、うーん、もう一息かなあ。主人公の個性をもっとはっきりと強調したほうがよかったような気がする。若い安倍晴明がやたらと絡んでくるのが、まあ面白いね。
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医術対呪術、みたいな感じかと思ったら、実は補完し合う関係なのかな。
平安のお姫様たちは決して顔を見せないのかと思っていたら、結構顔出ししていた。
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瑞蓮は胡人の父から医術を学び、博多から京の後宮へと招かれた。そこで姫や女房達を診察するうちに陰謀に巻き込まれて…
瑞蓮の腕の確かさもそうですが、聡明な所がお気に入り。新人医官の樹雨とのコンビも中々良いコンビだと思います。
後宮ならではの足の引っ張り合いも中々で、早く博多に帰りたいと言いつつも根はお人好しな瑞蓮の今後も楽しみです。
Posted by ブクログ
一話ごとで病に関するトラブルが解決して次へ、という訳ではなく、次話以降に持ち越す話が多め。
解決しないまま次の案件が飛び込んでくるので、なかなかすっきりしないという。
いや、あの案件はどうなってるんだという。
実際はそういうことも多いのだろうが、ちょっともやもやさせられた。
今よりは医学が進歩していない時代、もどかしく思うことは多々あれど、そのもどかしさの理由が医学の遅れよりも現代にも通じる問題や悩みだった点は興味深かった。
主人公の医学は海外のもので進んではいるけれども。
庶民感覚も入ってくるので、公家だらけの京では盲点になる部分が解決策になってくる点や、晴明さまの占いが解決のヒントになる点も面白かった。
気になったのは( )書きの注釈が多くてテンポが悪くなっていた点か。
現在の地名などの情報を丁寧に載せる必要はなかったかなと。
他の平安ものではあまり見かけないので余計に気になったのかもしれない。
視点の時代がずれるから、物語に浸れないしなあ。
歴史の解説本ではないから、注釈はいらなかったかなと。