あらすじ
繰り返される空襲とその後の市街戦により,街は容赦なく破壊された.生き残った人びとは新しい生き方を模索するが,長く続いたナチの支配と戦争は,街にも人の心にも深い傷を残しており…….ドイツの敗戦とその後の混乱を,ナチ体制下で育った少女エンネの目線でつづり,それぞれの人生の変転を描く.大河群像劇完結編.
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Posted by ブクログ
読み終わってしまった・・・ベルリンロスで呆然としています。
この3部で、またハンスに会えることを期待して「実はハンスが生きていた」っていう展開を願っていたのだけど。ずっしりとした喪失感を味わいました。
激動の中、ぶれることなく信じることを守った人。大勢の中に呑まれ、力あるものを信じ込まされた人。戦争が終わって、価値観がひっくり返る様は日本の戦後も一緒だと思いました。
一生本棚に置いておきたい本に出会ってしまった。
Posted by ブクログ
_それでも人生はつづく。逃げ隠れしようとしても無理だ_
転換期三部作、ついに完結です。
小説を読んでいて、目を覆いたくなるような、というのもおかしな表現だけど、実際に、一瞬瞼を閉じてしまうことが幾度もあった。
ゲープハルト一家との付き合いも30年近くに及んできたので?感情移入しないでは読めない。
可愛かったあの子が、、、
えっ、あの人が?そんなばかな、、、
と序盤からさまざまな衝撃の連続。
敗戦の色濃くなってきた1945年のベルリン。米英軍からの爆撃は普通の市民を容赦なく巻き込みます。
終戦を迎えても、瓦礫の街で生き延びるのは容易なことではなく、ヒトラーを信じた自分を責め続ける人、自由になっても、収容所での地獄の日々から本当の意味で解放されない人、ソ連兵の襲撃に怯えて暮らす人…
簡単に平和は訪れません。
今作は、第1部で主人公だったヘレの娘エンネの目線で語られます。
前作『〜1933』にて反抗勢力として両親が投獄され、祖父母の元で育った彼女は12歳。父母との再会は果たされるのか。再会しても、その溝を埋めていけるのか…。
あとがきにもありますが、ドイツはこの後、ベルリンの壁の時代を迎えるのですよね。
ほんやり生きている自分について、考えすぎてぼんやりしています。
わたし、これからどうやって生きて行ったらいいんだろう。
ってほどに。