あらすじ
伊神さんの卒業から丸一年、市立高校にまた卒業の季節がやってきた。今年は柳瀬さんをはじめ、仲のよかったひとつ年上の先輩たちが学校を巣立っていく。そんな、しんみりとしたある日の放課後、秋野麻衣が、おずおずと相談にやってきた。鍵のかかった真っ暗なCAI室で、不可解なものを見たらしい。書道室や山岳部の部室などでも謎の人物の出現と消失があったという情報が寄せられ、卒業生によるとそれは「兼坂(んねさか)さん」という市立高校「八番目の七不思議」らしいが……。トリックメーカーである似鳥鶏が贈る、予測不能の〈市立高校シリーズ〉最新作。
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Posted by ブクログ
ついに読んでしまった。
読んでしまうのはもったいないという理由でずっと先延ばしにしてしまっていたが、やはりそうするだけの面白さだった…。
誰かと本書のことについてぜひ話したいけれど、話す相手がおらず、そもそも友人も少ないなあと思って、何だか悲しくなってしまった。。。
ミステリとしては、いわゆる多重解決もののような要素があると思われた。作中作の中にも、それはそれで謎と解決編があり、構成としても、シリーズ中でも屈指の凝りようだと思った。
一方、このシリーズの魅力は登場人物たちの関係性によるところも大きいと思うが、その点でも大きく進展があった。私にとっては何といっても柳瀬さんと葉山君がどうなったのか…が一番気になる。私としては変にほろ苦い結末…とかはいらないので順当にぜひお願いしたい。これからもシリーズをずっと続けてほしいし、伊神さん、柳瀬さんにもまだまだ事件に関わってきてほしいと思う。
また、作中作の作者をめぐる最後の謎解きについては、意外だったし、むしろこれまでのシリーズの中ではあまり感じなかったようにも思った。いつからそうだったのだろう。
著者のあとがきも(今回、そこも含めてメタ的に小説の一部になってしまってるが)相変わらず面白かった。
Posted by ブクログ
今回は本編、ファンタジー、未来が交互に入り混じってて何やら不思議な展開でしたが、今まで不思議だった伊神さんの存在が明らかになりましたね。
未来の葉山くんと柳瀬さんは結婚してるのかな?
秋山さんの頑張りがあったからこその関係ってのも、葉山くんらしいヘタレっぷりだなぁ。
ミノの口ぶりからすると葉山くんの学歴はエリート?もしかして伊神さんと同じ大学出てそう。
未来編も中々興味深いです。
Posted by ブクログ
今まで印象が薄く、パッとしない感じだったあの人がメインというか犯人。普通って何?あの人とは世界が違う?どんな人も特別な存在、特殊なスキルがなくても同じ人間なんていないのだから。
そんな世界でも自分だけの特別な誰かがいてくれるだけで幸せなんだろう。
今回は、別次元の世界と交互に展開される話で、かなり特殊。不思議な感覚で共通する人物を追っていく。
また伊神さんの今までの行動の理由も説明される。確かに不自然で違和感を覚えていたが、その感覚さえもリードされていたとは。
あとがきにも記されていたが完結編ではないとのことだったので、続きも楽しみ。
このあとがきも、誰のあとがきであったのか不自然な感覚に恐われた。
Posted by ブクログ
戸のトリックはちょっと図解が欲しい…調べればわかるんだろうけども…
秋野さんは葉山くんのこと好きなのでは?とずっと思っていたけど、やっぱりそうだよね…ふつうに考えて…これは伏線回収?
作中作の、秋野さん目線の葉山くんが、クールで知的でちょっと不憫なのが面白い。
私は、自分の高校時代は黒歴史という認識しかないけれど、こんな高校なら、ずっといたいと思うかも。青春だなあ。
Posted by ブクログ
目次から驚いて何が起きるのかと思ったら、現在・作中作・未来が交互に語られていた。
卒業しても学校の事件を解決しに来てくれる伊神さんについてあんな背景があったとは。
全然推理では無く、漠然と作中作を書いているのはあの人だろうなと思ったのは何でだろう。勘。
高校生活の甘酢っぱさが炸裂しているが、12年後の葉山くんと一緒に暮らしているのって、柳瀬さんですよね?