【感想・ネタバレ】チッソは私であった 水俣病の思想のレビュー

あらすじ

水俣病患者認定運動の最前線で闘った緒方は、なぜ、認定申請を取り下げ、加害者を赦したのか? 水俣病を「文明の罪」として背負い直した先に浮かび上がる真の救済を描いた伝説的名著。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私たちがその埋め立ててきた命の真実ということについて、一番根本をなすところは、私が思うには「人間の罪深さを埋め立ててきてしまったんじゃなかろうか」というところにあります。それは海や山に対する罪深さであり、侵してきたことの、埋め立ててきてしまったことの、海も山も川も汚してきてしまったことの罪深さです。それは私たちの先祖が眠っているはずのところですし、私は浄土がそこを離れてあるとは思えないわけです。
その罪を背負いなおす。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水俣病の闘い、緒方さんが認定裁判を取り下げた理由について、知ることができた。耐え難い苦しみを経て行き着いた答えについて、「理解」したとは言い切れないけど、少しだけ想像ができた。
人は、生き物を殺して食わねば生きられない、という罪深さ・責任を負って生かされているのだ、というところが響いた。

私は、魚を捌くのが嫌いだ。内臓を見たくない、魚の目が怖い。だから切り身しか買わない。でもそのことで、命を頂いているという罪の意識から逃れようとしているのだと気がついた。
緒方さんにとって祈りとは、我が身の救いではなく、海山も含めて、命総体の蘇りを願う祈りだという。
「信」「魂」をどこに置くか、私自身も問い続けながら、生きたい。

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2025年10月13日

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