ユーザーレビュー チッソは私であった 水俣病の思想 緒方正人 間違いなく私の人生を変えたと言える一冊です。 著者の生き方に、ただ圧倒されました。 考え方のスケールが大きいのです。 Posted by ブクログ チッソは私であった 水俣病の思想 緒方正人 「はじめに」を読んで、あっ、これはあんまりちゃんとした文章を書く力のない人の書いたほんじゃないかな。 読むのよすか… と思ったが。 文章が粗であることを、大きく上回る思索、悩み苦しみ。胸に迫る迫力で、涙ぐんでしまった。 考えれば考えるほど、ものごとはつながりこんがらがる。 もっと手応えのある思考を...続きを読むしようとすると、結局自分に跳ね返ってくる。 その不器用なまでの誠実さに、心打たれる。 仕組み、組織、社会は狂う。 例外なく。 それらに損なわれつつも、それらから離れられない。 そんな苦しみに真正面から向かい合う姿は、決して他人ごととは思えなかった。 Posted by ブクログ チッソは私であった 水俣病の思想 緒方正人 水俣病に家族を奪われ自身も水俣病になった作者が、最初は水俣病を引き起こしたチッソや国を相手に責任を強く追及していたが、賠償金で解決することや、相手の対応者が次々に変わっていくことで、誰を相手に戦っているのかわからなくなり、また魂は救済されないと感じ、最後は自分自身も社会のシステムに組み込まれている一...続きを読む部と気づき、自分自身がチッソであったと悟る。この悟りはとても深い考えの行き着いた先に出てきたものだと思うが、このように考え苦しませてしまうのはやはりチッソや国が被害者に対して誠実に謝罪をしなかったことがよくなかったと思う。制度で解決することは公正に課題を処理する上で必要だが、気持ちの面でも納得してもらえるように、責任者が被害者に謝ることも重要だと思った。水俣病は過去のものというイメージがあったが、今も被害者はいるし、忘れてはいけない問題だと思う。 Posted by ブクログ チッソは私であった 水俣病の思想 緒方正人 被害者でありながらも、もし自分がチッソの立場にいたら、正しく生きられたか?工業社会の中で人の魂はどこにいったのか?公害も戦争も根にあるのはこの仕組みが作り出す人なのではないか?という問いに辿り着いた筆者の人生への壮絶な向き合い方が描かれている。 Posted by ブクログ チッソは私であった 水俣病の思想 緒方正人 ・有名な「ニーバーの祈り」を思い出した。 最初は恨みから闘争にあけくれ、次第に意識変革がおき、自分にできることを見つけて表現していく。 ・水俣病による深い人間苦に狂い、「根源」に還っていこうとする著者の想いと行動に強く打たれた。 ・水俣の問題を通して、資本主義と自然保全のバランス、ひいては自分の...続きを読むライフスタイルについて考えさせられる。 ・苦しみや葛藤を抱えるすべての人にオススメ。 Posted by ブクログ 緒方正人のレビューをもっと見る