あらすじ
さらし首の名所だった「暗闇坂」にそそり立つ樹齢二千年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだのか。近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは。とうてい信じられない怪事件に名探偵・御手洗潔が敢然と挑む。しかしながら真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めるものだった。本格ミステリーの巨匠が精力を注いだ大傑作。
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Posted by ブクログ
面白かった〜!暗く空気の重い設定と魅力的なキャラクターたちが好きです。トリックというか真実というかミステリーってそこまで偶然偶然運命運命が結論でいいんだ?!という驚きはありました。作者の人、運命に翻弄される女の人が好きなのかな〜て感じでした。
Posted by ブクログ
ジェイムズ・ペインの誘拐の家の秘密はなかなか面白かった。単純なのに固定観念で全く気づかなかった。
非常に面白かったし、作品の世界観も好みだったが、西洋館の上の卓と、大楠の上の譲が計算してそうなったのではなくたまたまその位置に落ちたというのがすこし残念だったので★4にした。たまたまで納得するものもあるが、今回は大楠という象徴的なものが中心にあったので、神秘的な秘密に対して個人的には計算づくのトリックが存在するものであって欲しかった。
Posted by ブクログ
怪異ものが好きなので最後までスラスラ読めた。
実際の出来事と手記の物語がうまく混じっていて、長いストーリーだが飽きなかった。
個人的には、犠牲になった子どもたちのことを考えると供養してほしいし明らかにしてほしい部分もあるけど、御手洗さんの選択がレオナを救ったのも事実なので一刀両断できない話だなあと思った。
Posted by ブクログ
島田荘司お得意のバカミス。というかあまりにも偶然が多すぎてファンタジーに近い。
スコットランドの「巨人の上」のトリック(?)は、家自体が土砂崩れにより90度回転していたというもの。犯人の意図したものではないためトリックではないが、発想として面白かった。
一番の謎だった、屋根の上で心臓麻痺していた男と、大楠に上半身を突っ込んで死んでいた男の謎。振り子の要領で、眠らせた身体が飛んでいきたまたまそうなったという(笑)。一体どう飛んだら台風の中で屋根の上に座る格好で着地するというのか?
Posted by ブクログ
今まで読んだ御手洗ものの中で一番怖かった…恐ろしいよ…夢に出そうだよ…石岡くんがいなかったら読みきれなかった……
女性にドギマギする石岡くん、初の飛行機、初の海外で感銘を受ける石岡くん、レオナの御手洗への気持ちが理解できない石岡くん……
短編集を読んだあとだからか、御手洗はやっぱり長編が良いな!と感じる。
話が短いと、御手洗は事件の謎を解き明かすたびに踊り出す変人なので…
最初のうちはその傾向があったけど、最後のレオナのためを思って一切種明かしをしなかった御手洗…これぞわたしが大好きな名探偵という感じでしびれた。
あとレオナのキャラクターが案外よかった!!応援したくなる。
屋根の上や木の上の死体のトリックは、『御手洗潔の挨拶』で読んだ「疾走する死体」を彷彿とさせて、思わず「死体ってやっぱり飛んでくよね!!!」と思いながら読んでしまった。
面白かったな〜