あらすじ
朝人が詩織を連れ出した満開の夜桜の下には、痛ましい事件が埋まっていた。少女が起こしたクラスメイトの毒殺、恋人同士の扼殺、中学教師による教え子殺し……なぜ、ここで殺人が起きるのか? 少女が口にしていた「桜の音が聞こえる」という言葉も謎を深めていく(「サクラオト」)。聴覚を鍵に描いた表題作など五感をテーマにした五編+Extra stage「第六感」からなる本格ミステリー連作短編集。
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Posted by ブクログ
この作者様の他の作品を読みたいのですが、なかなかなくて…気分転換に選びました。
五感をテーマにした五編+Extra stage「第六感」からなる本格ミステリーの連作短編集でした。
とても読みやすくて面白かったです。そこまで長くないのでサラリと読めます。温かい話もありつつ、基本はホラーよりでした。
「変わった構成の本だなぁ。でも連作なのかな?」と思っていたら、最後で種明かしがありました。「騙されたー!」と言うより、「あぁなるほど」と思わず納得してしまいました。全てが明かされたあとはスッキリした読後感でした。
常に不穏な空気を出しつつ進むお話は、ちょっぴり怖かったです。
表題作にして一番最初に読むであろう『サクラオト』で一気に作者様の世界観に入り込んでしまいました。もうどっぷり浸かりながら一気読みです。
個人的には、ゾクッとした終わり方で続きが気になる『サクラオト』『悪いケーキ』と切ないけれど前向きに終わる『春を摑む』が好きでした。
早くほかの作品を読んでみたいです。