あらすじ
俺に明るい未来なんてあるのかな――。
ドラマ化で話題、『死にたい夜にかぎって』のその後を描いた待望のエッセイ。
手痛い失恋、家族との確執、そして自らに起きた性の揺らぎを抱えながら、人生の暗黒期を過ごしていた著者。孤独の中から救い出してくれたのは、パチンコ中毒のお坊さんと、「トリケラ」という源氏名のオカマバー店員だった。誰が一番エロい仏像を見つけられるか競争したり、連絡が取れなくなった知人のLINEに天丼のスタンプを100個送ったり、知らない子どもの剣道の試合で号泣したりしながら、辛い過去を笑い話に変えていく日々。
『死にたい夜にかぎって』から1年。人生のどん底を「なんとなく」乗り越え、夢を叶えるまでを描いた実話。
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Posted by ブクログ
<忘備録・ネタバレあり>
オカマと坊主とつきあいながら傷が癒えていく、著者の暗黒期の日常を綴った私小説。
思い出したくもない辛い時期ってあるけど、常にずーっとつらいんじゃなくて、そのところどころの瞬間に笑いや幸せや輝きや大切な出会いがあるんだよな、そうしているうちに少しずつ癒えていくんだよなぁ、ということを思った。
あと、ユーモアのある人は強い。
高校のときのビジュアル系のくだりやお寺のお水をガブ飲みする日課など、著者の行動は突き抜けていて、想像を超えてくるのが面白い。コミュ障ぽく見せかけてるけど実はコミュ力オバケの気もするし。でも、なんかちょっと歪んでるんだよな…そこも魅力で好きなんだけれど。
うるっとくるせつない雰囲気から一転、なぜそこで〇〇!?と正直ひいた。しかも最終的に自分もおねだりしてるし…素に戻ったら後悔して気まずくて、その後連絡シャットアウトしちゃうやつじゃん…
なんて思ったけどそうじゃなかった。この2人は友達とか恋人とか家族とか、そんなカテゴリにはハマらないのだな。
キレイな話のままでは終わらず、想定外の展開を大真面目にぶちこんでくる著者が好きです。トラウマも消えたようでなにより嬉しいです。
▼印象的なフレーズ、パワーワード…
・明日につながるフェラチオ
・今の話、もっといろんな人にしたほうがいいわね。ところどころ話を盛ってるんだろうけど結構面白かったわ。つらい過去は自分で笑い話に変えるのが一番。
・セクシャルマトリョーシカ
・「〝みんなちがって、みんないい〟って。金子みすゞの言葉が答え。まったく同じ人間が存在しないように、まったく同じセクシュアリティの人もいないってこと。そうでなくても他人を理解するのなんて絶対無理じゃない? だからお互いの存在を普通に認め合えばいいだけ」 「理解じゃなくて存在を認めるかぁ」
・バカだなおまえは。成功している人はみんな神社とか寺に通ってんだよ
・「人生は思い通りにならない。頑張ったからといって必ず報われるわけではない。この世に永遠なるものは存在しない。〝諸行無常〟というやつです。人生はそれぐらいのもんなんだと考えれば、生きるのが少し楽になるかもしれません」
・天上天下唯我独尊『人間はみんなたった一人の人間としてこの世に生まれる。それだけで尊い。地位や名誉や見てくれや能力に関係なく平等に尊い』
・それからの私は、己の容姿で一喜一憂することをやめ、ありのままの自分を愛することに決めた。醜さもまた私の一部なのだ。不細工なりに愛想だけは良くしておこうと、常に笑顔を絶やさないようにしているうち、気の合う友達も何人かでき、いじめられることもなくなった。そうか、最初から自分らしくしていればいいだけだったのだ。
・「大丈夫。誰も笑ってないから。私が絶対笑わせないから」
・とにかく早く帰ってこい。話したいことは何もないけど、あんたの顔が早く見たいんだ。
・「僕、絶対に作家になります。子供を作れないオカマが、自分のチンコをしゃぶらせて、この世に生み出した作家、それが僕です」