あらすじ
2020年春、新型コロナウイルスへの対策として、多くの大学が「オンライン授業」を導入した。「対面授業での感染リスクを避けつつ、効率的な学びの場を提供できる」として一躍脚光を浴びたオンライン授業だったが、学生たちからは「授業が身になっている気がしない」「施設利用や教員・学生との交流の機会が奪われている」といった不満が続出。一部学生の間では学費返還を求める運動まで巻き起こった。
しかし頭を悩ませたのは学生だけではない。授業を行う教師にも、トライ&エラーで新しい授業スタイルを確立することが求められている。
本書では急速に浸透したオンライン授業について、大学教員・大学生・保護者という3者から寄せられた、教育現場のリアルな声を紹介。また思想家・内田樹氏が「オンライン授業は対面授業の代替物たりうるか」について語るコラムや、東京大学大学院情報学環・吉見俊哉教授へのロングインタビューなどを通じ、オンライン授業の最前線に迫る。
【本書の内容】
第1章:降って湧いた「オンライン授業」 大学で何が起こったのか
第2章:走りながら考え、教えながら悩んだ 大学教員から見た「オンライン」
第3章:「教室」が消えた! 学生たちは「大学」に何を求めているのか
コラム:思想家・内田樹氏に聞く オンライン時代の「新たな教育プログラム」が必要だ
第4章:コロナ以前の大学にはもう戻れない オンライン授業の未来
第5章:ロングインタビュー 大学はもう一度死ぬのか? 吉見俊哉・東京大学大学院情報学環教授
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Posted by ブクログ
前半では、様々な事例や調査を踏まえた上で、オンライン授業の実情が説明されている。学生の生の声も取り上げられており、納得感があった。ただ筆者が繰り返しているように、学生が被った不利益が「コロナ」によるものなのか、「オンライン授業」によるものなのかという視点は重要だと感じる。後半は将来の展望。コロナ禍におけるオンライン化と、16世紀から17世紀における印刷革命の類似性を指摘している点は興味深かった。
Posted by ブクログ
学生の評価は丸投げされている。
on-line授業で宿題だらけになって課題地獄になった。
印刷代がかかる。
一方的に話すのは、双方にとってストレス。同時双方向型には人数の限界がある。
筆記試験は難しい。事前課題を与えて出席店をつける。
90分オンラインで聞くのは長い。60分しゃべって、30分は自学させて発表させるなどの工夫が必要。
資料を配って個人学習させて課題を提出させる形式は評判が悪い。
ミネルバ大学=on-line大学、20人程度で同時双方向型の授業がある。キャンパスはない。寮はある。学生同士のコミュニケーションは授業ではなく寮で作る。
試験は行わない評価方法が最大の特徴。課題と授業参加度合いで成績が決まる。60点で単位がもらえるのは
日本の大学の国際化は、言葉の壁があるので難しい。しかし英語の授業は日本の学生には評判が悪い。
日本で面倒見がいい大学は金沢工業大学。出される課題が日本一多い=今は勉強させる大学として評判。
on-lineが評判がいいのは早起きが苦手だからかもしれない。
大教室授業はオンデマンド配信にならざるを得ない。
ハイブリッド授業は、学生の行動に時間の壁がある。学内にon-line環境があるのか。
少人数同時双方向型は、学生の負担が大きい。横のつながりがなくなるので1年生の全面オンライン化はマイナス。
日本の学部生は科目数が多い。科目が細切れになってしまっている。週一回15週では忘れてしまう。
アメリカでは4~5科目で毎週2回3回と授業があるので予習復習せざるを得ない。
1科目の単位数を多く、科目数を少なくすれば課題地獄にならない。
ミネルバ大学は、全員を寮に入れる方式でコミュニケーションをとる。