あらすじ
その朝、最高の幸せと最悪の不幸が少女を見舞った。枕元にあったのは、期待もしていなかった初めてのクリスマスプレゼント。だが信じがたい事件も起きていた。別の部屋で母が殺されていたのだ。家にはすべて内鍵が掛けられ、外から入れるとしたらサンタくらいだった。周辺で頻発していた怪現象と二重三重の謎。京都を舞台に、若き御手洗潔が解き明かす意外な真相と人間ドラマ。心温まる名編。(解説・青柳碧人)
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Posted by ブクログ
京大時代の御手洗の話。
御手洗の変人さが最後の方しか見られず、あれが見たい読者としては少し消化不良。
序章の入り方も面白かっただけに。
ただ心温まるミステリーで、御手洗小説であることの期待値を抜けばいい作品。
わたしもサンタクロース来なかった身なので、泣きそうになりました。
Posted by ブクログ
時代は昭和39年。クレセント錠とスクリュウ錠で閉ざされた密室というあたりに時代性を感じさせる。
鳥居の左右が、両側の建物に突き刺さっているシチュエーションは、何とシュールなのだろうと思っていたら、京都市の錦市場では、実際にこのような光景を目にすることができると知って驚く。
そのような状況を見事にトリックに昇華させた著者の手腕はさすがである。
そして、そのトリックがわかったと「ユーレカ」とばかりに駆け出して行った大学生の御手洗は若い!
事件のすべてが詳らかになっても、最後に残った難問は容易に解きほぐすことができないように思えたが、これも解決に導いた御手洗は、既に名探偵の片りんを覗かせる。
この物語のラストは、季節外れの、そして10年越しのクリスマスプレゼント。
Posted by ブクログ
御手洗シリーズのキツさを想像すると別物なんですが、これはこれで、御手洗自身の若さも感じられる気がしてにっこり…☺️
そしてあったかいラストで、血生臭さを期待する身にはじんわりと違う良さを感じられる素敵な作品でした…。
人間の弱さ
人間の弱さを感じる話だった。辛く、気の沈む感じ。それでも、誰かが救われたのは幸いだった。
あと、中段、ちょっと間延びした展開だったなぁ…。