あらすじ
メディアには日々、「ESG(環境・社会・企業統治)」があふれています。この言葉を抜きには企業経営や財務戦略、株式投資は語れなくなっていますが、成り立ちや意味するところがきちんと理解されているとは言えません。単なる欧米の流行言葉ではなく、世界的なビジネスの常識となっているESGをきちんと理解しなくては後悔することになります。ESGによって企業の情報開示や経営戦略、投資家の顔ぶれなど、資本市場のエコシステム(生態系)ががらりと変わることになるのです。またバイデン次期米大統領は環境問題を重視するスタンスを示していますので、ESG重視のトレンドは加速するばかりです。
本書は、
(1)ESGの盛り上がりに「乗り遅れた」と思っている人向けの基礎的かつ包括的な解説
(2)「ESG=市場のエコシステムの変革」の切り口を提示。解説本を超えた未来予測も行う
既刊書では(2)017年刊行の『ESG投資』(日経出版刊)が信頼できる本としてロングセラーになっていますが、この数年でESGをめぐる環境は激変しています。このテーマはどうしても環境に偏った記述が多くなりがちですが、本書は投資家、ビジネスパーソン目線で、最新事情を踏まえて、バランス良くそのインパクトを解説します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
運用業界に勤める方が一通りの知識を身につけるにはうってつけの本。
ESGが当たり前になればESGという名前は消えるというのは示唆に富んでいると感じた。BRICsの例も納得。
本書ではかなり先進的な取り組みも紹介されていたが、大多数の運用会社や企業はまだ手探りの印象。それでいて、これから急速にドライブがかかることも想定される、それだけ何があってもおかしくないということなのだろう。
あまり前のめりになりすぎず、かつ。流れに取り残されないように、できれば半歩先くらいを行く、くらいのがちょうど良いのかもしれない
Posted by ブクログ
近年、流行り(?)のESGについて網羅的に説明されている。ESGがどのような歴史から生まれ、現在盛り上がり、今後どうなっていくのか、端的に記載されており非常にわかりやすい。株式投資の上でESGを重視しつつあるのはわかっていたが、もっと根本的な要素として見なければならないと思わされた。
Posted by ブクログ
再読
そもそもESGは投資の概念。
「善良であれ」説いてるのではなく、ビジネス上の戦略として必要不可欠なものとなっている。
GPIFがESG指数を採用していることで、より無視出来なくなっている。
Posted by ブクログ
ESGの基本を整理して掴むのに丁度良い。最新の動きも紹介してあり、役に立つ。ESGの概念やトレンドは欧米を中心に発展してきたが、もっともESGが必要なのは、中国やインドを抱えるアジアだという主張に同感。
Posted by ブクログ
ESGについて社内向け資料作成に向けて調整した時に利用した。ESGを一通り学ぶのに役立った。
情報が少し古いという点で評価を下げたが、歴史本として見るには5である。
Posted by ブクログ
インターネットやスマートフォン等、目に見えて社会の利便性の向上に貢献するものが社会に受け入れられる理由は良く分かる。ただ、現在の自分の生活にポジティブな影響を明確に与えるだろうことがわからないものは、たとえその重要性が声高に叫ばれていても、社会の隅々まで浸透させていくのは本当に難しいことのように思う。ESG投資という概念が上手いこと普及したのは、企業や投資家がESGの概念を上手く用いればその価値を経済的に享受出来るということが分かり始めたことと、そこに普及させたい人達が訴求していった結果なのかなーと思ったりする。
ESG初心者の私でもサラッと読めて分かりやすい本でしたー。