あらすじ
プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人です。専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。これらをもれなく兼ね備えた人材を、私はプロフェッショナルと呼びたい。
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Posted by ブクログ
<プロフェッショナルの定義>
・「ヒポクラスの誓詞」の九か条 の医を「仕事」患者を「顧客」に置き換えて読む。
・1990年、ボーダレスワールド上梓前に寄稿したHBRの当時の編集長セオドア・レビット教授の言葉「企業は商品やサービスを通じて、あなたを100パーセント満足させますという『誓約』を販売しており、顧客はこの誓約を購入している」と喝破しています。
・会社の論理で行動することは、とてもプロフェッショナルと呼べないばかりか、これからの時代、ヤバいのです。そのためにも、どんな仕事にも顧客がいることを肝に銘じて、そこへの献身を誓うべきなのです。
<先見する力>
・真に有効なソリューションは、ジャングルの中で、個々のビジネス・プロフェッショナルが各自で見出すほかありません。それには、だれの目にも見えないものを誰よりも先に明確に認識する力と、ビジネスチャンスを見出した瞬間に最高の方法でそれをもぎ取る気概が必要なのです。
・一夜にして成功モデルが覆り、どこからともなくライバルが出現する時代にあって、すべての課題について用意周到な考察と論理的な分析を施すことは不可能です。だからこそ、新たな出来事を目の前にした時、自分の直感だけが頼りとなるのです。
<構成する力>
・(イリジウムについて、通話品質、高料金など)こうした質的な欠点や欠陥もさることながら、最大の痛手となったのは、計画からサービス開始までのわずか数年の間に、セルラー方式の携帯電話が飛躍的な進化と発展を遂げたことです。技術革新のスピードとユーザーのニーズの所在を冷静に見極め、これを事業に反映できなかったためにイリジウムが先見したはずの市場はライバルたちにさらわれてしまいました。成長市場を制するどころか、その入り口で致命傷を負ったのです。
・現在進行形の事業・変化には、必ず何らかの力が働いてます。これをまっキンゼーではFAW(forces at work:作用する力)と呼びますが、まさにこの激流のなかの本当に重要な力が何かを見抜いて、それを外挿し事業の構想を練るという作業が、いま最も価値の高いものであると考えられています。たくさんのシナリオをつくってはいけません。たくさんのシナリオのから成功への必要十分条件をみたしているものを一つ選択肢、タイミングよく実行することが必要なのです。
・まず、自分が目指す事業の核となるものを狭く定義し、追随を許さぬ深さを追求することが重要です。これをとことん考え、日本の家庭におけるピアノの普及を世界一にしたのが、ヤマハの中興の祖l、川上源一氏です。
「ピアノを買ってください」という代わりに、「音楽を教えましょう」というわけです。これぞマーケティングの真髄というシステムを、貧しい時代の日本で築き上げたのです。
規模の経済があるように、「深度の経済」というものもあります。特にサイバー経済においては、「狭く、深く、かつ速やかに」が成功の必要条件となるのですが、これを徹底的にできる人は稀です。新大陸には手つかずの土地が果てしなく広がっているせいか、ちょっと成功するとどこまでも行けそうな気になってしまいます。楽天は他人に市場を提供する事ではなく、自前の証券や旅行会社を押しつけたくなります。また、マルチプルを利用して野球チームを経営したくなります。
<議論する力>
・discuss は否定を意味するdisと、恨むという意味のcuss が合体した言葉です。要するに反対したり反論したりしても「恨みっこなし」というのがディスカッションの本来の意味。
・debate は deが下、batは打つという意味なので、。原意は「打ち倒す」です。議論する力は相手を言い負かすためでも、言いくるめるためのものでもありません。事実欧米社会では、ディスカッションもディベートも真実を追求する手段として広く浸透しています。
・疑わない
・検証するという行動様式が身についていない
・途中で修正するということを潔しとしない
・関係者間の調整を嫌う
・予定調和を優先する
これらの根底に共通しているのは、議論する力が組織にも個人にも欠けているということです。仮説を議論しなければ、その仮説は検証されることも、修正されることもなく、時間の経過にしたがって、知らず知らずのうちに目標や結論に姿を変えてしまいます。・
・議論に挑む際、自分の考えを隠したり、歪曲して伝えたりすることはかえってマイナスです。相手がだれであろうとひるんではなりません。聞くべきことを聞かずに、目的を果たすことはできません。しかし、同じ事でも聞き方によって、相手の性格、心情などを考慮して、「進入角度」や「直接・間接」など質問に「性格」を与えることができるのです。その際、目的をそのまま質問に変えてはなりません。質問は、導き出したい結果を念頭におき、結果が出てくるような入り口を見つけることが肝心です。
・人々の意見が見事に一致する時こそ、「現代のソフィスト」に毒されている可能性が高いからです。学術的権威、有名な経営者、社内のオーソリティなど、「何々氏がいうには」といった枕詞がついた意見には、たいてい何らかのバイアスが潜んでいます。これを鵜呑みにしてしまうと、自分の頭で考えず、議論する力は育ちません。
・世阿弥が遺した「守・破・離」しゅ、は、り、の知のプロセスからも多くを学ぶことができます。これは、まず攻めの矢から自らを「守」り、次に相手の論理が手薄なところを「破」って、矢の向かうべき方向の誤りを指摘し、共に当初の議論から「離」れて最善の着地点へと移行する、というものです。かつてのジャパン・バッシングのように、議論のスタートラインから猛然と攻め込まれた場合、まずは断固として相手の主張を退けることが肝要です。ここで少しでも相手の言い分を認めると、相手に追攻のきっかけを与えてしまい、以後の反撃が難しくなります。
<矛盾に適応する力>
・LVMH率いるベルナール・アルノー『ベルナール・アルノー、語る』より
「企業の成功は、非合理性と合理性の両方をうまく働かせ、この非合理性を経済的効果に変える能力にかかっています。この水と火の二律背反から、心を奪われるような変化が生まれるのです」
二律背反するものを止揚する能力は思考のトライアルを重ねるなかで磨かれていきます。安易な二元論に逃げ込むことは、ビジネス・プロフェッショナルには許されないのです。
・具体的な手法としては「プロフィット・ドライバー」(利益を拡大させる鍵となる要因)の再定義が有効です。その視点から新たな成長をとらえてみると、手の施しようもなくコモディティ化が進んでいる、あるいは戦略的な魅力に乏しいと言う理由から見向きもされなかった業界にも成功事例が転がっています。
→強烈!メキシコの生コンクリート会社のセメックス
Posted by ブクログ
自分の限界を自分で決めるのは「知的怠慢」であるってことが心に響いた。大前研一さんの著書は何冊も読んでるからだいぶ同じこと書いてる気がするwでもそれがこの人が伝えたいことだろうな。
フッサールのいうように自分の今までの価値観、知識で判断できない知らない事象にはエポケ、判断停止をしそこからでもその問題に取り組んでいけるのがプロフェッショナルな人だという。
うん、地頭がよくなりたいな!!