【感想・ネタバレ】自由の限界 世界の知性21人が問う国家と民主主義のレビュー

あらすじ

エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、マルクス・ガブリエル、マハティール・モハマド、ユヴァル・ハラリ……。世界の知性21人は混迷を深める世界と人類の明日をどう見るのか。民主主義のあり方も、米中の覇権競争の行方も、グローバリズムの帰趨も、いずれも答えは一つではない。そして、一つではないからこそ、耳を傾ける価値があり、考える価値があるのだ。

第1部 「予言者」であることは難しい――エマニュエル・トッド
第2部 それでも欧州に期待する
第3部 「アラブの冬」と「帝国」の再興
第4部 世界の軸はアジアに
第5部 コロナ以後

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ようもまあ、これだけ当代の脳ミソを集めたもんだ。筆者はブンヤさん。元々は新聞記事として書かれた文章を書籍の体裁にまとめたものらしい。でも、筆者も言うように「歴史を踏まえて現代を読み解いて」普遍性を持つ文章ばかり。特に、トランプ当選の前後両方のタイミングでの発言がある人もいて興味深い。2015〜2020年間の二大トピックと言えばトランプ大統領就任とブレグジット、末期は勿論コロナ禍だが、日本の少子高齢化問題に関する発言多し。当事者の我々が思うよりずっと世界の注目を浴びているらしい。あと、多くの人がフクヤマの『歴史の終わり』を引き合いに出すのが印象的だった。

本国では容赦ない論客とされて敵の多いエマニュエル・トッド氏が「日本と接する自分が本来の自分」とまで言うのって、要は日本の論壇や言論界がぬるま湯だってことよね。資本主義は支持するが保護主義論者であるトッド氏。そうすると現実的に同調するのはトランプ氏とフランス国内だと極右な皆様ってことに(涙)。対ドイツ感情がチラつくところがフランス人らしい。他の大国は歴史の中で国力の衰える時期を経験してきているが(中国だってある)、米国にはそれがない…だわな。

「『パクス・シニカ』はあり得ない」と断言するインド出身の国際政治学者、パラグ・カンナが気になる。幸い和訳が何冊かあるようなので、読んでみたい。

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2021年03月08日

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