【感想・ネタバレ】誰にも相談できませんのレビュー

あらすじ

あなたのお話
聞かせてください
小説、論壇で活躍する作家、高橋源一郎氏による「毎日新聞」の人生相談、待望の書籍化!
恋愛や結婚、仕事や家族、生きる悩みなど、老若男女、いつの時代も悩みは尽きない。新聞掲載時に話題となった「中絶した過去と向き合えず」や「別れた息子と孫を会わせたい」ほか、100のままならない悩みにタカハシさんが向き合った!
人生相談なんてものがはじまる、はるか前から、 おそらく人間というものがこの世界に誕生して以来ずっと、 人は悩み、それだけでなく、誰かのその悩みを、 苦しみを打ち明けてきたのでしょう。(本文より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

毎日新聞にて連載中の、高橋源一郎の人生相談が書籍化された一冊。

「正しく」ではなく、「善く」生きること、他者に対して何らかの感情を持つこと(または持たないこと)を押しつけないこと、孤独を自覚しその豊かさと自由とを知ること…。
実存を見つめた真摯な生き方について、力強く、しかし軽妙な語り口から伝えられる文章が心地良い。

人生相談としては、これらの回答は、心に強さを持つ人々にしか理解できない、変わったものなのかもしれないとも思いつつ、今の時代に、これが新聞に連載されているというのは良いことだな、としみじみ感じる。

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2021年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印象的とこメモ。
◆家族に不幸が続き怖い

『事故に巻き込まれ、妻子を失った知人がいます。彼に過失は一切ありませんでした。病院のベッドですべてを知った彼は、生きる気力を失いかけていました。そんな彼に医者はとどめを刺すように、「お気の毒ですが、大きな障害が残るでしょう」と宣言したのです。その時彼がどう感じたと思われますか。あまりに悲惨な運命を呪い、希望を完全になくしたと?

自分でも驚いたことに、彼にやって来たのは、凄まじい怒りでした。彼は、自分を奈落に突き落とした「運命」に向かって、こう叫んだそうです。

「人間というものが、そんなことでダメになると思ってるのか?なめてんじゃねえぞ。俺をひざまずかせたったら、もっともっと不幸をもってこい」

彼は恐るべき克己心でリハビリに励んで、仕事に復帰し、後に新しい伴侶を得ることになりました。

不幸や不運は誰にでもやって来ます。そのとき、慌てふためき、恐れおののく者たちは、さらに、不幸や不運の餌食となるのだと思います。

自分への不当な扱いを許してはなりません。人や組織はもちろん、それが運命であろうとも。あなたは憤るべきなのだと思います。運命に嘲笑されたくなかったら。』

◆高2の息子、視力を失う恐れ

『数年前、イギリスにある「子どもホスピス」を訪ねた時、数百の子どもたちの生命を見守ってきた女性園長が、不意に、わたしにこう尋ねました。「自分の生命が残り少ないことを知る子どもたちが何を心配するかわかりますか?」「わかりません」と答えると、彼女はこう言ったのです。「残される親のことです。自分がどれほど親を悲しませてきたか、そして、死んでしまったらどれほどの悲嘆にくれるのか、それが彼らを苦しめるのです」

わたしは、そんな、限界に近い場所に置かれた子どもたちを取材して、彼らの愛は、おとなよりもはるかに大きく、深いのではないかと思うようになりました。彼らこそ、ほんとうは親なのかもしれませんね。だったら、あなたのやるべきことはひとつしかありません。息子さんに負けないような愛を』

◆恋をしたことがありません。

『人間としてやらなければならない経験などないと思います。わたしたちはみんな「わたし」という、誰にもできない経験をしているのですから。いまいちばん楽しいと思うことをしてください。それで十分です。』

◆姉のと比べられコンプレックス

『わたしは、コンプレックスを抱くことは、傷でも闇でもなく、「常に謙虚であるように」と神様が贈ってくれた能力だと思うようになりました。コンプレックスがない人間なんかと、つきあいたくもいですよ!』

◆義母の介護にやりきれない

『作家の佐野洋子さんは、自らの「老い」に前にして、こう書きました。「私達はおびえている。自分達もまた、家族にとって、ストレスだけの存在になるのだ。いやもうなっているかも知れぬ。核家族に、老人は支えきれないのだ。」』

◆友達をつくらない息子。見ていて切ない。

『漫画家のしりあがり寿さんが、わたしたちは「友だちの呪い」にかかっているとおっしゃっています。小中学校など、そもそも偶然クラスが一緒なだけで、卒業してしまえば一生会わない、ただの「他人」なんだと。

いま、わたしには「友だち」といえる存在は数人です。彼らとは会う必要さえありません。わたしにとって「友だち」は、お互いの「孤独」を理解し合える者のことだからです。逆にいうなら、「孤独」を共有できない相手は、「友だち」ではなくただの「知人」にすきません。』

◆やる気がないけど、どうしよう

『あなたの理想的な一日とはどんなものですか」と質問されたら、ぼくは「なんの予定もない日」と答えます。

ある、高名な学者が、定年で大学を辞めた日、もう行かなくていいんだと思い、ふと空を見上げて、「空というのはこんなに青かったんだ」というショックを受けたそうです。

家庭生活を頑張る。子育てを頑張る。仕事を頑張る。自分を成長させようと頑張る。うーん、実は、頑張っているとき、ぼくたちの視野は確実に狭くなっていると思います。それは危険だ。そして、そんなとき、からだの方から「気をつけて!」と信号を送ってくる。その「信号」が「面倒くさい」という気分なんだと思います。休みましょう。ダラダラしましょう。それができない?じゃあ「頑張って」ダラダラしてください!』

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2020年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新聞だからか、家族間の悩みが多い。
血縁関係でない家族は、双方の言い分を聞いてみないと
わからないよね。
不倫絡みはおっしゃる通りだと思う。
でも1番印象に残ったのは、恋人がどんどん若くなって不安がる爺さんでした。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(2021-07-25 30min)

たいせつなひとに贈りたいと思う、そんな本。

高橋源一郎氏がNHKで配信している「飛ぶ教室」というラジオ番組が好きで、著書を調べたところ、本書が気になりずっとリストの中にあったものを、今日になって引き出してきた。
少し複雑な悩みを持つ友人などに手渡すと、孤独感を和らげる視野の広がりの助けになるのでは。質問の幅が非常に広い。表紙も可愛い。中の薄い和紙のような紙に描かれたイラストも、フォントも可愛らしい。
毎日新聞における1コーナーであったということで、著者自身嘆いているように全文ではないことや、回答も500字の制限で限られてしまうということが無念。質問は書籍化にあたって全文載せてもよかったのではと思うところもあるが、短く簡潔だからこそ、すんなり沁みるような回答があったりする。受け取り手の現状に大きく左右されるものが多いかも。

 肩肘張らない寛容な雰囲気で、和やかに回答していく。強烈に刺さるものはなかったものの、安定感を感じるので、身近にいたら話を聞いてほしくなる。
質問者によって、ここは強く言うべきところ、受け止めるべきところというのを判断して回答しているであろう雰囲気を感じて、心強い。

 自身の家庭環境が芳しくなかったこと。離婚歴が5回もあるということ(最近放送されていた坂元脚本の『大豆田とわ子と三人の元夫』の大豆田にも驚かされたけれど、5回はすごい)。それぞれを生かして回答されていた。

章で7つに分けられているけれど、4章以降はあまり内容と関連はないかな。曲のタイトルをアルバム名にするみたいな…。すべて章の一番初めに来る質問タイトルをそのまま持ってきているようです。

100もの質問がありますが
・夫の心変わりで前向きな気持ちになれない(p.62)
・70歳の夫 同居が辛い(p.64)
・姉と比べられコンプレックス(p.90)
・自分の文章が恥ずかしい(p.184)
・進学の機会を逃しニートに(p.186)
・14年間ひきこもりの自分が嫌(p.188)
・あめをもらってもいいですか(p.198)
・孤独なパート事務 仕事や職場に不満(p.204)
が好きです

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2021年07月25日

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