あらすじ
地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。
彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。
彼女はほぼずっと孤独だった。そして時々、道に伝言を残していた……
ジョイスやベケットの系譜に連なる革新的作家デイヴィッド・マークソンの代表作にして、読む人の心を動揺させ、唯一無二のきらめきを放つ、息をのむほど知的で美しい〈アメリカ実験小説の最高到達点〉。
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Posted by ブクログ
私には難解過ぎた。ギリシャ神話、美術史や画家、世界史の知識があれば、分かったのかもしれない。世界中に、残された生物は自分一人だけ。そんな状況で、章が分けられることもなく、くり返しになることも多く、記述が変わっておかしくなっちゃったのかと心配させられたり、ギリギリのところでタイプを打っているのか、もしくはギリギリをもう超えたところにいるのか。ひょっとして~かもしれない、が多かった。そうやって自分の存在や記憶を確認しているのかもしれない。この本は多分新聞広告で称賛されているのを少し前に見て、興味を持って手に取った本だけれど、私には難しすぎて、自分の知識や教養のなさ、感受性の鈍さを思い知ることになった気がする。