あらすじ
「あなたの心に流れている音楽が聞こえるんです」――北の小さな町にあるその店では、風変わりな店主が、お客様のために世界にひとつだけのオルゴールを作ってくれる。耳の聞こえない少年。音楽の夢をあきらめたバンド少女。妻が倒れ、途方に暮れる老人……。彼らの心にはどんな曲が流れているのでしょう? 思わず涙がこぼれる、幸せ運ぶ7編。
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Posted by ブクログ
客の心の中に流れる音楽を聞き取れる不思議な力を持った店主がいるオルゴール店の、優しくて暖かい7編。
それぞれの話のお客さん達がその後どうなるのが良いなのか、読者によって解釈が分かれそうな話もあるのですが(手術することの是非とか、バンドメンバーはこの先どうするのがみんな幸せなのか……とか)
そこを敢えて描かないことで思い思いのハッピーエンドを想像できるようにしてるのが良いなぁと思いました
Posted by ブクログ
あ、これ小樽だな、と思ったら、色んなことがリアルに感じられてしまって、いいのか悪いのか…もっとファンタジーとして読みたかった気がする。
「もやもやを抱えたひとが、不思議なお店でぴったりなものに出会う」という仕組みのはなしが全般好きでわりと読む。
このオルゴール店のいいところは、店主がただ客から聴こえた音を客に渡す「だけ」というところだと思う。だから、説明もしない。なんでそうなのか、それでどうなるのか、小説としても説明しすぎない。そこが好き。
特に気になったのは「ふるさと」で、色々生々しくていたたまれなくもあり、親子の言葉が足りないかんじが分かりすぎて、切なくなる。
Posted by ブクログ
舞台は小樽かなぁと思いながら読んだ。
展望台はもしかして神威岬?と思ったけど市街地近くっぽいし旭展望台辺りだったりするのかなぁどうかなぁ。
架空の町が舞台でもいいけど実在するところに思いを馳せながら読むのが好きなので、明言されなくてもモデルがあると読んでいて楽しい。
ムカイさんの能力は馴染みのない私にはとってもファンタジーだったけど、そういう人が本当にいたとしたら自分のも聞いてみてほしいなぁとワクワクした。ただ、思い出振り返っても特に曲は浮かばないので音楽が鳴ってるかどうかは微妙ではある。
ある音楽を聴くとふっとその時の思い出が浮かんでくる、ってたまに聞く話ではあるけど全然当てはまらないからそういう人ちょっと羨ましい。
最後の最後にムカイさんが町を去って、同時に喫茶店もアルバイト募集かけてたってことはついていったのかなぁとこれまたワクワク。
Posted by ブクログ
瀧羽麻子さん初読み。心に流れる曲を作ってくれるオルゴール店の話。色々なお客さんがいる。
もっと心が温かくなったり、特殊能力が注目されるような内容かと思いました。
とにかく控えめな店員さんとそんなに乗り気ではない客。後ではっとするという様な。
おすすめするって、難しいですね。
とにかく心の声を聴くという視点の作品。自分の心、人の心など。