あらすじ
四十歳目前での思わぬ妊娠に揺れる旅行代理店勤務の優子。これが子供を産む最初で最後のチャンスだけど……。お腹の子の父親であるイケメン部下、偏見のある田舎の母親、パワハラ上司、不妊治療に悩む同期、誰にも相談できない。シングルマザーでやっていけるのか? 仕事は? 悩む優子だったが、少しずつ味方が現れて気持ちは固まっていく。
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Posted by ブクログ
最高に面白かった。
仕事が忙しくて時間がないのに、徹夜で読んでしまった。止まらなかった。
ヒロインは母親をよく許せる。私なら勝手に「父親になってやってくれ」と頼む母親を許せない。絶縁だ。
水野も最悪だ。DV野郎だわ。モラハラでもある。絶対に父親と知られては行けない。
上司の部長は、パワハラで懲戒処分でもいいと思うけど。
凡庸の説法が良かった。
昌代がヒロインの小説も読んでみたい。カッコ良さそう。もちろん色々悩んでいるとは思うけど。
本当に面白かった。ハラハラしながら読んだからサスペンス小説みたいだった。そのうち読み直すつもり。
Posted by ブクログ
40歳未婚で予想外の妊娠をした主人公を軸に様々な社会問題を絡めてエンタメに落とし込んだ良作。
読み始めたら止まらなかった。
リアリティとファンタジーの匙加減が絶妙。
産むことを決意した主人公。
全てを受け入れた同級生と偽装結婚、物分かりの良い重役の計らいで出張のない部署へ異動、兄夫婦のマンションの隣りに引越し、母親が田舎から出てきて家事育児のサポート。結末だけ羅列するとご都合主義に感じるけど通して読むと違ってくる。リアリティのある描写が細部に散りばめられてるから。
ラストにさらっと働きやすい部署に異動したはずの主人公が異動先の同僚と上手くいってなくて残業が増えて疲れているようなことが書かれてて、まだまだ苦労するんだろうなぁって感じで終わってるのが良い。
主人公が振り回して傷つけたもう一人の同級生には恨まれて終わったり、母親は最後まで価値観がアップデートされず未婚の友達に無自覚に無神経なこと言っちゃう人だったり全てを強引に丸く収めようとしていないところに作者の誠実さを感じた。
Posted by ブクログ
出張先でのたった一夜の過ちで身籠ってしまった優子。今年四十歳になる自分には、これが出産のラストチャンス。
田舎の閉鎖的な人間関係には辟易しているためUターンはできない。悩んだ末、姉に相談してみたがすぐに母親へ情報が筒抜けに。
おまけに姉への相談内容を職場で聞かれていたのは、子供の父親である現・恋人。何やらその後コソコソ嗅ぎまわっていて…
仮定の話として子の父に「あなたの子、と言われたらどうする?」と探りを入れれば、「土下座してでも堕ろしてもらう、もしくは流産してもらう」と恐ろしい返答。これは何が何でも隠し通さねばならない。
日本で未婚のまま母になる、ってどうしてこんなに肩身が狭いの?
今の世情や特に女性の生き辛さについて、こんなエンタメ作品にしてくれるなんて垣谷作品は安定の面白さ。
優子の意思を受け入れ、尊重してくれる味方が中盤までいなくてハラハラした。
凡庸の懐の深さ、かつての不倫相手が職場幹部となり働き方改革を推し進めて何とか今後の見通しができてよかった。希望の光が見えた。
Posted by ブクログ
妊娠、出産は大変だけど本来とても喜ばしいことなのに序盤は味方がほぼおらず切なくなった
物語が進むにつれ味方がでてきて安心した
物語終盤で勤め先の会社が女性が働きやすいよう会社の規定に追加されている描写がある
その中に
『いつの時代も人手不足や欧米諸国からの圧力で日本政府や企業は大きく舵を切る。
女性に対する人権意識から政治家や企業が自発的に動くことは決してない。』
と書かれており女性の潜在的な地位の低さや妊娠、出産、子育てや介護が未だに軽んじられてると改めて感じたし共感した
無事に出産し家族のサポートも受けられ仕事も続けられそうなので安心した
ただ個人的には主人公が不倫し不倫相手の妻を見下していた過去に対してモヤモヤしたし主人公を応援したい気持ちは減った
Posted by ブクログ
四十歳、未婚。産むか産まざるか悩む話かと思ったら、早い段階で産む覚悟はできてて、「未婚出産」っていう立場がいかに人権を得ていないかがテーマの話だった。
ラストは結局入籍するんかい!という気持ちもあるけど、凡庸の台詞はぐっときた。
Posted by ブクログ
旅行代理店に勤める優子は、アクシデントで28歳のイケメン部下と一夜を共にし、子供を授かる。
産むのか産まないのか。
それだけで色々と考えるところはあるのだけれど、そこにイケメン部下の彼女だったり、地元の同級生だったり、自分の兄弟だったり妊娠についてとやかく言って優子を翻弄させる。
優子と関係があった専務の瀬島さんによって救われるのだけれど―――やっと肩の荷がおりたよ。と、言いたげな背中がいいのか悪いのか…。優子の力になったのであればいい事なのかな?優子の窮地を救ったという点ではやはり瀬島が助けてくれたのはいい事だったのだ。でも戸籍を貸してくれた凡庸には叶わないけど。
最後のエピローグで優子が凡庸に惚れたような文章がでてくるのだけれど、真実はどうなの?
ほら、わたしって行間を読めない女だからさ、はっきり書いてくれた方が…ムードもへったくれもなくなるんだけどさ。
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言うのか、言わないのか。
産むのか、産まないのか。
40歳を目の前にして思わぬ妊娠に揺れる、旅行代理店勤務の優子。お腹の子の父親である28歳のイケメン部下、頭の古い田舎の母親、妊婦を「腹ボテ」と言うパワハラ上司、不妊治療に悩む同僚、若さを誇る美人女子社員……。お腹はどんどん大きくなるけれど、本当のことはなかなか言えない。
このままシングルマザーになって、やっていけるのか!?
(帯より)
Posted by ブクログ
すんごいリアル…
タイトルからして私もこうなりそう…と思って読んだ。
40歳で妊娠し産むなら最後のチャンス
でもお腹の子の父親は28歳の彼女持ち部下
古い考えの田舎の人に、せくパワハラ気質な上司
状況的に「詰み」な感じやけど、
最終的にお母さんも家族も、同級生も味方ができて良かった…
上司のセリフは胸糞悪かったけど、絶対的な味方ができて、優子よかったねぇ~~~!と思う