あらすじ
森山二郎は、日本を代表するメガバンクに勤めるエリート銀行マン。順風満帆の生活を送っていたが、突然、系列子会社への転出を命ぜられる。事実上のリストラである。二十九年間走り続けた日々の、あまりにも呆気ない終焉だった。なぜ自分なのか――現実を受け止められず、葛藤する毎日。リストラの余波で家庭も崩壊寸前の中、銀行員時代に扱った案件で森山は訴えられ、さらなる暗雲がたちこめる……。仕事とは何か?家族は再生するのか?すべての働く人々の心に沁みる長篇小説。(解説・高田郁)
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Posted by ブクログ
家族構成、年代どんぴしゃであてはまりわが家のことのように思いながら読んだ。ただ、妻みはるには前半嫌悪感しかなかったけれど徐々に彼女の身に起きたことを考えてみると同情するところもあり、どうかこの夫婦の再生を願うばかりだ。
リストラの黒幕の悪事がちゃんと明るみとなりスカッとした。
バス旅行で知り合った老人がまさかの今後の彼の恩人になるとは、、出会いは大切にしたいものだ。
兼業作家さんということで作品は多くないけど他2冊も読みたくなったし、今後の作品にも注目したい。
Posted by ブクログ
サラリーマン人生で一番恐ろしいのが、このリストラでしょう。
会社に尽くして尽くして生きたところで、最後に会社は何もしてくれやしません。そこを理解しつつ、いかに生きていくかが、宮勤めの者の宿命かと思います。
昨今の景気状況は、多少上向きとはいえ、未だ、非正規社員の多くが低賃金での労働を行なっているのが実情です。
本作品は、リストラによる元銀行員の中年オヤジが、家族の問題、自身の仕事探しとそのための資格取得の問題、銀行員時代の担当していた顧客からの提訴といった複雑に絡み合った、ドン底からの再生を描いています。
働くことまたはそれに従属する仕事という概念は、とどのつまり生きるための手段に他ならず、それ以上でもそれ以下でもない、ということを改めて本書から学びとることができる。
Posted by ブクログ
一流大学卒業、一流企業勤務からの、転落人生と少しだけの復活劇。。
金融ネタのところは、証拠集めや悪人とのやりとりなど、池井戸さんならもう少し膨らませたりできるのかなあとも思ったけど、ま、こんな感じかな
Posted by ブクログ
うまくいきすぎのような。妻がじつはいい人ってのはちょっと納得薄
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森山二郎は、日本を代表するメガバンクに勤めるエリート銀行マン。順風満帆の生活を送っていたが、突然、系列子会社への転出を命ぜられる。事実上のリストラである。二十九年間走り続けた日々の、あまりにも呆気ない終焉だった。なぜ自分なのか――現実を受け止められず、葛藤する毎日。リストラの余波で家庭も崩壊寸前の中、銀行員時代に扱った案件で森山は訴えられ、さらなる暗雲がたちこめる……。仕事とは何か?家族は再生するのか?すべての働く人々の心に沁みる長篇小説。