あらすじ
自己プロデュースに長けた野心的なシンデレラ、きりぎりすの奏でる音色に心動かされるあり、おじいさんのこぶを愛するおばあさん……。誰もが知っているおとぎ話が、佐野洋子一流のユーモアと毒がたっぷり加わって様変わり。面白くてちょっぴり怖い、二十六篇の絵入りパロディ集。
【目次】
シンデレラ/ありときりぎりす/浦島太郎/おおかみと七ひきの子やぎ/白雪姫/羽衣/くらげとさる/ヘンゼルとグレーテル/マッチ売りの少女/つるの恩がえし/マリアの子/こぶとりじいさん/花咲かじいさん/親指姫/ラプンツェル/かちかち山/ブレーメンの音楽隊/眠り姫/養老の滝/かえるの王さま/星のターラー/あほうどり/三びきの子ぶた/舌切りすずめ/ハーメルンの笛吹き/赤ずきん
「きれいごと」が嫌いな人 岸田今日子/「思い込み」を壊された 村田沙耶香
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『嘘ばっか』
こちらは再読。
作者は『100万回生きたねこ』でお馴染みの
佐野洋子さん。
「嘘ばっか」は…
二十六編のお伽話のパロディです。
一編一編がとても短く
サックサク読めちゃいます。
ただ…内容は決して夢いっぱいでもなく
「きれいごと」もないもんだから…
只々、感じ入ってしまいます。
生意気言っちゃうと…
感動は全くないです【一度読んだだけでは】
お伽話のように何度も時間をかけて読むと
ジワリジワリきます✨
それぞれの登場人物の一人称視点で語られるんだけど…
浦島太郎は乙姫様、親指姫は父親だったりで
このお話はいったい誰目線?
って迷子になっちゃうときもあるの。
「ブレーメンの音楽隊」はロバ目線。
「わたしは長いこと、ほんとうのろばのように働いた。おまけに、わたしは、正真正銘のろばだった」って、ろばなんかーい!!
ただ、わたしの『すげーな ポイント』は
作者 佐野洋子さんのあとがきです✨
弟は、浦島太郎の話をするとかならず泣いた。泣くのがわかっていたから、私なんか、面白がって何度でも泣かした。
泣かしたいから「ムカシ、ムカシ、ウラシマタロウが……」と言うのである。嫌がって逃げる弟に、全部話をしていたのでは間に合わないので、「タマテバコをアケルトー」で弟をふんづかまえ「アットイウマニィー」で弟はボロボロ泣くのである。
…って、やばいでしょ。
そんな、ちょっぴり毒を持っている佐野さんの
パロディ…毒の入り方がいい塩梅☆
「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」
「つるの恩がえし」「ブレーメンの音楽隊」
あぁ…後、「ラプンツェル」もよかった♡
まだまだ たくさん あるよ
みなさんも ためして みてね ( ◠‿◠ )❤️
Posted by ブクログ
面白かったです。日本のも海外のも入り混じった世界の御伽噺を自由なアレンジで。
野心的なシンデレラ、自身の外見は醜いけど世界の美しさを感じられる白雪姫、ダンヒルのライターを携帯している「カチカチ山」のうさぎ。こぶとり爺さんの婆さんは爺さんのこぶを愛していて、花咲か爺さんの婆さんは正直者の爺さんをとんまでうすのろだと思っている。
「親指姫」は壮絶で心が痛みました…こうくるのか。「あほうどり」は元のお話を存じ上げなかったですが好きなお話です。
何年も前に読書会でおすすめしていただいた本。岸田今日子さんと村田沙耶香さんによる巻末エッセイも面白かった。村田さんから見ても「とんでもない」のは相当とんでもない。