あらすじ
幼い頃に養父を亡くし、母親の愛人から日常的に暴力を受けていた刀根秀俊に、十四歳のとき初めて気の置けない存在ができた。同じクラスの美月、陽菜乃、亮介だ。四人で過ごすかけがえのない時間は、しかし、ある事件で一変する。それから二十年。秀俊は暴力の連鎖から抜け出せず、彼を思う美月、そして陽菜乃と亮介もまた、秘密と後悔にもがいていた。絶望の果てに辿り着く、究極の愛の物語!(解説・馳星周)
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Posted by ブクログ
最初と最後の夏蜜柑の描写に心打たれた。
「切ない」という感情をここまで感じさせてくれた本は初めてだった。
人間の心を丁寧に描いていて、感情移入がしやすく苦しい部分が多かった。
タイトル「嘘」の意味が段々と明かされてゆく感覚に心が締め付けられた。
人は誰しも嘘を抱えている。
それは悪か。それとも…
Posted by ブクログ
刀根秀俊
母親の愛人から虐待される日々の中、ヤクザの九十九誠に目をかけられ、裏社会に引き込まれていく。
桐原美月
神社の娘。ある能力を持つ。中二の夏以来、他の三人を見守りつつも密かに秀俊に想いを寄せている。フリーのライター。
中村陽菜乃
神経質な母親の過干渉にあらがえない、奥手な少女。よく傷だらけで現れる秀俊を気にかけていた。
正木亮介
男女共に人望の厚いクラスの委員長。世渡り上手な切れ者だが、「ある事件」で人生が一変する。
佐々木幸三
九十九の舎弟格。
真帆
美月の娘。
刀根真一郎
秀俊の養父。秀俊が小学三年生の時に、働き盛りで死んでしまった。
江利子
秀俊の母。
南条和也
秀俊が赤ん坊だった頃の一時期、江利子とつき合っていた。真一郎が追い出したが、真一郎が死んだとたん、九年ぶりによりが戻った。
久恵
江利子の勤めるスナックのまま。
岡崎
江利子の中学の同級生。
サヤカ
スナックで一番若いホステス。
真由美
江利子と同い年のホステス。
桐原重信
美月の父。
九十九誠
秀俊を昔の後輩な師範を務めている柔道場へ連れていった。九十九興業組長。
木原
柔道の師範。
世志乃
陽菜乃の母。
近藤宏美
九十九の右腕。
原田
組の顧問弁護士。
山田シゲオ
十四歳の近藤を弟のように可愛がって連れ回し、一から売りを手ほどきしてくれたテキ屋。
八田
ラス屋出身の職人。
堀川
元請けの堀川左官。
田辺
若造の現場監督。
川崎誠司
精神科医。
Posted by ブクログ
久しぶりの村上由佳作品でした。いつもながら物語の中に入り込ませるのが上手だなと思います。読み終わって振り返ると、東野圭吾の白夜行にすこーし似てる。
幼き頃の淡い恋心を抱えたまますれ違ったり封印したりして大人になってしまう。ただ、犯罪やヤクザとの絡みもあったので、甘ったるい話ではないです。主人公の母親の生い立ちがわかったところは少し驚きました。唯一の和みは真帆ちゃんですね!