あらすじ
怒り・悲しみ・憎しみ・恐れ……どんなネガティブな感情も、丁寧に解きほぐすと、その根源に「愛」が見いだせる。不安で包まれているように思える世界も、理性の光を通して見ると、「善」が満ちあふれている。中世哲学の最高峰『神学大全』を、教師と学生の対話形式でわかりやすく読み解き、自他を肯定して生きる道を示す。
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Posted by ブクログ
悲しみや怒りといった感情の根底には、愛があるのではないかとぼんやり思っていたところに、この本と出会いました。まさに私が今欲していた答えを、この本がくれました。
感情は、自分の外界の事物から影響を受けて受動的に起こる。さらに、善なるもの(道徳的な意味合いだけでなく、便利だったり快楽的だったりするものも含む)に魅力され、それが心に刻印されるような形で、愛が生まれる。そう考えると、世界には現在も私を魅了する善なるものが既にあり、世界はこれから私が魅了されうる可能性のもので溢れている、ということを言語化してくれました。
感情的すぎる自分に疲れ、解消するような本を探してこの本に辿り着きましたが、やはり感情は愛の表れであり、神のように完全ではない受動的な人間にとって、大切な要素なんだと気付かされました。