【感想・ネタバレ】鬼滅の日本史のレビュー

あらすじ

老若男女に大人気の漫画『鬼滅の刃』。空想の世界だと思うかもしれませんが、日本の歴史史料には作品に登場しているような「鬼」の記述が多く残されているのです。日本人は古代から鬼と戦ってきた歴史があります。本書では、そんな史料に残されている鬼とは何かを解き明かしつつ、『鬼滅の刃』で描かれている登場人物や鬼の歴史背景を独自に考察します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

鬼滅の刃と絡めながら日本人が怯え、また戦ってきた鬼について書かれていてとても面白かった

やや強引かなと思う部分はあるが、全体的にわかりやすくそうかもしれない!ワニ先生もしかしてそこまで考えて…!とワクワクしながら読み終えた

特にp165のトンネルや橋、昔の電車のなかはA地点からB地点への移動区間のためどこでもない空間とされたのが面白かった
なぜそこに鬼が出るのかを深掘りしていて、鬼滅の刃のファンとしても鬼の伝承伝説を調べている身としても大変勉強になった
無限列車はそういうことかと…

私が鬼について調べ始めたのが女木島で鬼が島の洞窟に行ったことがきっかけなのだが、鬼ヶ島洞窟に行ってから赤鬼の由来が海賊の日焼けがそう見えた説や、海外の方が酒を飲んだ際の赤ら顔から来た説などを知り色んな由来があるなぁと思っているなか、
今回、この本で天然痘などの病による発熱で顔が赤くなっている説を知りなるほどと思った
死にゆく過程の顔色が鬼と似ているというのも面白いなと

p136の時代のはざまは不安定、幕末から明治初期には源頼光と四天王の浮世絵が多く刷られたのも面白かった、平成でもあり令和でもある2019年に鬼をモチーフにした鬼滅の刃が流行ったのも日本人の深層心理が関係してるのか?ここの考察すごい面白い
他の時代のはざまでも鬼退治が流行ったのか調べてみたい

やはり平安時代の鬼の伝承が一番リアルだなと思った、鬼気迫るというかなんというか…
平安を過ぎると少しづつ俗っぽくなるなという個人的な感想
きっとどの伝承伝説も土蜘蛛のように反体制側の人間のことを鬼と言っているのだろうけど、そして意にそぐわない人間を怖がり遠ざける気持ちは令和の世でも続いていて人間の本質はきっと何千年たっても変わらぬ…と私を含めて面白いなと思っているところ

そうかもしれないと考えることで色々考えが広がるんだなと改めて思った
昔の人が書いた鬼の描写を読みたいがために、古典の勉強をしようと思う

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2022年07月01日

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