あらすじ
ゾンBLこの物語には、強い感染力がありますので、ご注意ください。山奥のコンテナで、ひっそり暮らすライナスとコナー。彼らはそこで、―――人肉を食べて生きていた。教会に忍び込んで墓を掘り返し、死者をこま切れにして持ち帰る。ライナスがそんな重罪を繰り返すのも、すべては、愛しいコナーの命を繋ぐため。彼を生かすためなら、他者など牛や豚に等しいと、罪を重ねていくが―――。人であれ、ゾンビであれ、極限の世界で愛を貫く者たちの物語。吸引力の塊・富田童子の世界へ、いってらっしゃい。
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終末世界に於ける最期のススメ
やっと読めた…単話版の試し読みで衝撃を受けて以来、待ちに待った作品。
救われない系やメリバが苦手な方は注意した方がいいですが、グロ描写はそんなに多くないです。
廃退的な世界観、圧倒的な画力、練られた構成、これらを支える胸を衝く台詞の数々。まるで古い映画を映写機で観ているかのようで没入しました。
主に3つの物語からなるオムニバスですが、世界線は一緒なので所々リンクしています。
話にはそれぞれ二面性があって、もう一面が露呈してくると取り繕ってきた不都合さがただただ切ない。
けど、それは絶望しか残っていない世界で狂っていようが歪んでいようが愛には変わらず、幕引きに残された時間は僅かとわかっているからこそ
悲哀だけではなくどこか強さや美しさもあります。
どの物語も素晴らしいですが、個人的にアダムにスポットを当てて読んでみて欲しい…。
作者様はカバーデザインも手掛けていて、作品に対するこだわりや熱意が伝わりますし、病床でまで描き続けてくれたことに感謝!
今は完治されていることを願いつつ、次作を楽しみにしています。願わくば没ネタも。
Posted by ブクログ
ゾンビ!?BL!?と言う煽りと、作画がめちゃ好みで表紙買いBL!?。ディストピアな世界観の中ではこれは有り得るな…と言う妙なリアル感と、ホラー映画の持つ存在自体は何かの弊害なんだが、悲しい事に終わりしか来ない感じが、富田童子さんの楳図かずお風味な絵柄に凄く合っていた。
巻末に書かれていた描き下ろしにもあった様に、細かい小物のディテールが「映画の小道具」を用意する感じで、その辺りが漫画なんだけど映画的なリアル感を生んでる。独特な緻密な絵は「怖い」「美しい」の裏返しで、隅の隅まで線を追ってみたくなる。
Posted by ブクログ
「抵抗」ではなく「足掻き」。どうせすぐに終わりがくると分かっていながらその最後の一日までを足掻き続ける。どこか淡々とした空気感がまた「オワリを迎える世界」を感じさせてくれる。そこら中で起き続ける「終了」のうちの一つをただ観測するのみ。この感じがすごくいい。
「死」というものにはドラマをいくらでも起こせるものだけど、そのドラマが強くなればなるほどやはりクサくなっていく傾向がある。だからこそ、はっきりとしないような、感情が死んだような淡い空気感なのが読んだ後にじんわりとした温かい痛みを与えてくる。
Posted by ブクログ
好きな人がゾンビになったとしても一緒にいたいよね。
好きな人が求めるなら食べられてもいいし、
一緒に居られるならゾンビにもなる。
一人置いていくなんてできないよね。
(旦那の為にはゾンビになれないけど子供で置き換えると気持ちわかるよ…)
Posted by ブクログ
▼あらすじ
山奥のコンテナで、ひっそり暮らすライナスとコナー。
彼らはそこで、―――人肉を食べて生きていた。
教会に忍び込んで墓を掘り返し、死者をこま切れにして持ち帰る。
ライナスがそんな重罪を繰り返すのも、すべては、愛しいコナーの命を繋ぐため。
彼を生かすためなら、他者など牛や豚に等しいと、罪を重ねていくが―――。
***
ストーリーの完全度:非常に高い
トーン:シリアス・ダーク
エロ度:低い
萌え度:普通
総合評価:★4.0
試し読みをしてみて面白そうだったので購入しました。
オムニバス形式の作品で、主に3CPのお話が収録されています。
ゾンビをテーマにした作品なので、当然ながら重い&暗いです。グロテスクな描写も沢山あるので読み手を選ぶ作品だと思います。
絵柄も作品の雰囲気にはバッチリ合ってますが、大分ホラー寄りなので万人受けはしなさそうですね。因みに私は某巨人漫画の絵柄に似てるなぁと思いました。作者さん、あの漫画好きそう…(笑)
ゾンビ×BLという組み合わせは新鮮でしたし、ストーリー構成もよく出来ていると思います。最初はバラバラだと思っていたお話が実は全部繋がっていて、結末を知った上で読み返すと1周目では気が付かなかった新たな発見があったりと、読者を飽きさせない工夫が施されていて面白いなと思いました。
ただ、救いはないです。ゾンビになってしまった人間を元に戻す方法を探すとか、ゾンビが蔓延った街から逃げ出して幸せになるとか、そういう希望のあるストーリーではありません。何なら登場人物、ほぼ全員死にます(笑)
それが良い死に方なのか、悪い死に方なのかは読み手の受け取り方によって変わってくると思うので一概にバッドエンドとは言い切れませんが、私は限りなくバッドに近いと思います。
でも、この作品って雰囲気こそおどろおどろしいですが、比較的読み易いんですよ。
始まりも終わりも唐突で、キャラクター同士の関係や内面が深く描かれていないからそこまで感情移入出来ないんです。
漫画の形をした記録を読んでる、とでも言いましょうか。簡単に言ってしまえば“あっさり”って感じですかね。
因みにこの“記録”というのは例えではなくてですね…。まぁ、読めば分かります。そして最後にカバー下を見て「アッ!」となること間違いなしです。これは紙で読まないと駄目なパターンのやつですね(笑)
BL要素はあまり強くないですし、エロも殆どない作品ですが、とにかくストーリーがよく出来ているのでグロが苦手でなければ是非とも“紙”で読んでください。読後感もそこまで悪くありませんし(一抹の虚しさはありますが笑)、そこまでビビらなくても大丈夫です!
因みに作者の富田童子先生はこの『BOYS OF THE DEAD』が初コミックなんだそうな。初コミックでこのレベルの高さ…今後の活躍が期待できる作家さんですね。
ゾンBLはたまに読むのですが、この方の作品はイチャイチャしてればいいっしょ!と言うようなライトゾンBLではなくて、生きるか死ぬかを重々しく伝えてくるヘビーゾンBLでもなくて、
そのちょうど中間な感じでした。
設定や内容は映画にありそうな、もしくは本にありそうな感じで理解しやすく読みやすいです。
1本のストーリーで書かれる作品も読んでみたいなと思いました。
深い
ストーリー、兄弟、仲間、恋人、どれも深い内容で何度も読みたくなるBL。頭が悪い人は理解できないとおもう。そして私は頭が悪いのでホラーマンガかとおもった。ゾンビ映画だとセックスする人は100死ぬなって思いながら読んでました。偏差値上がりそうなマンガ。