【感想・ネタバレ】明の太祖 朱元璋のレビュー

あらすじ

疫病と政治的混乱の中、最下層民でありながら皇帝にまで登り詰め、約550年に及ぶ明清王朝の礎を築いた朱元璋。何がこの偉業を可能にしたのか。それは「聖賢と豪傑と盗賊の性格をかね備えていた」と清の智者・趙翼が指摘した資質によるものが大きいだろう。紅巾軍に身を投じた当初は盗賊の活動をし、地方政権を樹立するとひとかどの豪傑となり、皇帝となってからは諸々の制度を定め聖賢の働きをした。しかしこの三つの性格は時系列ではなく同時に併存していたのであり、治世中の残忍極まる大粛清も「聖賢」の紛れもない一側面であった。歴史上類を見ない巨人のドラマを、膨大な史料で描き出す。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

元朝政治が政治闘争で乱脈をきたし、統治能力を失い叛乱が多発したことから筆が始まる。
明朝の構成員は功臣武官の淮西集団と知識人文官の浙東集団に大別。双方で対立はあったがいずれも南人であり、北方との統合を朱元璋は期す。
科挙実施も、合格者(=官僚)が南人ばかりを見て中断。
南人官僚や地主の不正蓄財を解消するために、胡藍の獄や六諭発行などの政策が行われたとの著者主張。
朱元璋自身の猜疑心もあるが、何より各人が己の分を守る理想的な儒教国家を成立させるために法を用いた厳格な他律的国家を作ろうとした。

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2020年09月21日

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